07:Syringa ページ25
sk｢わァー！！ますたぁ、みてミテ！おそラ、とんデル！すごーイ！｣
阿部｢そうだね。でも他のお客さんもいるから静かにね｣
sk｢ハイ、ますたぁ！｣
飛行船の中はまばらとはいえ客人がいた。
阿部は椅子に腰掛けると、再び資料に目を通す。
さくまは、隣で窓の外の景色にかぶりついていた。
旧式の機械人形が珍しいのか、チラチラと視線を感じる。まあ致し方ないといえば致し方ないのだが。
阿部(…こうして見たらただの旧式の機械人形なんだけどなぁ…)
まるで児童園の子供宜しく｢わァ…｣と目を輝かせながら窓の外の景色を見ているさくまを横目に、阿部はまた思考に耽ける。
愛着は湧く、されどさくまには不思議すぎる点が多すぎる。
それは言わば、機械技師としての探究心と好奇心を唆られるという事でもあるが。
阿部(…案外このままでもいいかなぁ、なんて)
それを抜きにしても、さくまは阿部の良き友人になりつつあった。
客室乗務員のアナウンスが聞こえる。
もうすぐ目的地に到着するらしい。
もうそんなに時間が経っていたのか、とぼんやり考えていると、窓の外を見ていたさくまが阿部の袖を引っ張った。
sk｢ますたぁ！もうスグ、つクのォ？｣
阿部｢うん。今日は着いたらすぐ宿に行こうか｣
sk｢しろイごハン、たべレル？｣
阿部｢食べれるんじゃないかなぁ。本当に白米が好きだねさくま｣
sk｢さくま、しろイごハン、スキ！ますたぁモ、だいスキ！｣
阿部｢ありがとうね｣
良く出来ている質のくすんだベージュのような髪を撫でてやると、ニヒヒ、と笑う。
本当にこういう所は人間らしい。
願わくば、このまま何もなく帰れますように。
そんな期待を抱きながら、2人は目的地に辿り着いた飛行船を降りた。
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milkmilkmilk723(プロフ) - 最近このお話を見るために占ツク開いてます！更新応援してます、コロナで騒がれていますがお身体ご自愛ください！ (2020年4月8日 21時) (
レス) id: 2c3c24b282 (このIDを非表示/違反報告)
I-RISA(プロフ) - Twitterも拝見致しました！お話し繋がってるんですね！続きがとても楽しみです！ (2020年4月8日 16時) (レス) id: 52da8c48f6 (このIDを非表示/違反報告)
パスタ好きのさらさん(プロフ) - 湊都さんのお話、面白くて全種類読ませてもらってます！最近の更新で、あれ、もしかしてこれ軍パロの時の繋ぎ…？という期待が膨らみつつあります笑 面白いです、更新応援してます！ (2020年4月3日 16時) (レス) id: b898e8ff1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：湊都 | 作成日時：2020年3月30日 18時
