検索窓
今日:8 hit、昨日:4 hit、合計:394,034 hit

ページ39

道中1度も口を開く事がなかったさくまを、工房の椅子に座らせる。
hk「……不気味だな」
阿部「そう、だね」
微動だにしないさくまの首の後ろを見ると、ゼンマイを入れる穴の周りがほんのり桃色に光っている。

阿部「…スイッチ?」
hk「え?」
阿部「…照、一応準備だけしてもらってもいい?」
hk「御意」
恐る恐る、細長の工具をその首の穴に入れ、差し込む。
sk「──!」
何かがカチ、とする感触。と同時に先程と同様一瞬驚いた様子の後にガクン、と項垂れる。

hk「…阿部、何をしたんだ」
阿部「ゼンマイが入る穴のところがピンクに光ってたんだ。…スイッチ的な何かがあるのかと思って、押した。カチ、っていう感触があるから多分スイッチだ。…だから、多分これで…オフになるはず」
事実、穴の周りのピンクの光は消えている。

ピリ、とした空気の中、ひょこ、と頭が跳ね上がった。
阿部「さくま、」
sk「…ますたぁ?…あレ、ますたぁ…かなシそウなカオ、してル…さくま、わるイコト、しタ?」
阿部「良かった…」
フッ、と緩んだ緊張の糸とともに阿部は思わずさくまをぎゅ、と抱き締めた。

sk「ぁウ…!?えへヘ、ますたぁ、あっタかイ!」
hk「…さくま、先の事は覚えているか」
sk「さきノコト?」
hk「舘さんの店で暴れかけた事だ」
sk「エ!…さくま、おぼエてナイ…わルいコトした…あとデ、ごメンなさイする…」
hk「あぁ。そうしておけ」

阿部「照、ごめん、ありがとう」
hk「俺はここで失礼する」
阿部「うん。…ふっかにも後で詳しく説明するけど、とりあえず大丈夫だって言っておいて」
hk「承った。…さくま、暴れそうになってたのを止めたのは阿部だ。礼を言っとけ」

照が出て行った後、さくまはその目をまん丸とさせると阿部の方を見た。
sk「ますたぁ!ますたぁが、さくま、たすケテくれタ!さくま、ますたぁ、まもルノ!」
阿部「うん…ありがとう、ありがとうね、さくま」

*→←11:Distel



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (453 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1097人がお気に入り
設定タグ:Snowman , 雪男 , ファンタジー
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

milkmilkmilk723(プロフ) - 最近このお話を見るために占ツク開いてます!更新応援してます、コロナで騒がれていますがお身体ご自愛ください! (2020年4月8日 21時) (レス) id: 2c3c24b282 (このIDを非表示/違反報告)
I-RISA(プロフ) - Twitterも拝見致しました!お話し繋がってるんですね!続きがとても楽しみです! (2020年4月8日 16時) (レス) id: 52da8c48f6 (このIDを非表示/違反報告)
パスタ好きのさらさん(プロフ) - 湊都さんのお話、面白くて全種類読ませてもらってます!最近の更新で、あれ、もしかしてこれ軍パロの時の繋ぎ…?という期待が膨らみつつあります笑 面白いです、更新応援してます! (2020年4月3日 16時) (レス) id: b898e8ff1d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:湊都 | 作成日時:2020年3月30日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。