�� ページ27
.
エミさんと付き合って分かったことだが、彼はこういう大事な場面はきちんとシュミレーションをした上で完璧にやりたがるのだ。
告白のセリフも散々練習してレストランとかで言おうとしていたらしいが、パニクった挙句つい口をついたのが練習していた言葉だったというのだから笑ってしまった。
｢はえ〜、お前それゾムが聞いたらブチギレるぞ……｣
｢だから今日呼んでないんですよ……！｣
不意に兄のあだ名が飛び出し、きっと彼らは兄の同級生たちなのだろうと察しが着いた。
そりゃ同級生がお前の妹にプロポーズしようと思うんだけどって相談してきたら拳の5発や6発飛んでくるわ……。
まして兄はシスコンの気があるので呼ばなくて大正解である。
｢プロポーズどうしようかって話しやったか？｣
｢……そうです｣
｢俺ら既婚者0なのによう相談しようと思えたな｣
｢ハッ｣
｢彼女さん関わるとほんま余裕無くなるんやなお前……普通経験者とか頼るやろ｣
兄の年齢を数えかけて、やめた。
これだけの人数いて既婚者0なんだ……兄も最近は聞かないなぁ……。
｢……解散っ！｣
｢待て待て待て、まあ待てエーミール。ここにスペシャリスト鬱先生がおるやろ？｣
｢俺やって流石にプロポーズ茶化すほどアホやないぞ。彼女ちゃん可哀想やろ｣
解散の流れは面白くてつい笑いが零れてしまった。
鬱先生というのは兄から聞いたことがあるが、とんでもない女たらしで人間のクズとか言っていたような……。
｢まーでもアレやろ。彼女ちゃんのこと1番知っとるエミさんが、彼女ちゃんが喜びそうなことを考えるしかないやろ｣
｢せやろなぁ。それが1番嬉しいと思うわ｣
堪らず顔を抑えた。
思わず聞き耳立てたけどこれ聞かない方が良かったやつだ。
みっちゃんが好奇心を隠しもしない顔で私を哀れむように頭を撫でてくる。
幸いこちらの食事はもう一通り終わっていて、みっちゃんを押してこっそりその居酒屋を出た。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 133人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
てら。 - 神…！神様…！ﾝｯ…言葉で表せないくらい好きです！好き。…うん、大好き！応援してます！これからもがんばってくださいね！ (2021年7月30日 23時) (
レス) id: 731eee2e47 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのお菓子 - 完結おめでとうございます!普段恋愛ものは読まないのですっごく新鮮な気持ちになりました!おもしろかったです! (2019年9月4日 11時) (レス) id: e059b99e94 (このIDを非表示/違反報告)
あす - 私が課題に終われてる間にとても幸せふわふわ空間がつくられてました。更新お疲れ様です。新しい作品も楽しみです！ちなみに課題は終わってません(震え声) (2019年9月3日 0時) (レス) id: be8669dcb5 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - （続きです）最高の作品でした、本当にありがとうございます！また次回作以降も楽しみにしております…！是非お願いいたします！ (2019年8月31日 13時) (レス) id: 6e8503052d (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - はじめまして！あまり数のないemさん単体小説を漁っていたところこちらを見つけました。ぴゅあっぴゅあなemさん最高です…(合掌)水族館での出会いの情景なんてどこか神秘的で文章にすごく引き込まれました！私の年齢がわりと近いこともありときめきがとまりません。続 (2019年8月31日 13時) (レス) id: 6e8503052d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：志摩 | 作成日時：2019年8月24日 15時
