【おそ松さん】本物のおフランス帰り

あれ ページ9

「……っせわっせわっせ…」


　


　


　


タッタッタ


　


ガララッ


　


　


　


「ただいマッスルー！！…ん？あれ？」


　


　


　


トットット…


　


バンッ！


　


　


　


「ねえねえ！誰か来てんのぉ！？知らない靴あった！」


　


おそ「あ、おかえり十四松」


　


トド「とりあえず手洗ってきたら？十四松兄さん」


　


十四「うんわかったぁー」


　


　


　


野球から帰宅した五男。


　


家に来ている人物が誰かも知らず、洗面所に向かう。


　


　


　


「ん〜るーる〜」


　


　


　


チャッチャと手を洗いながら鼻歌を奏でる。


　


着替えも済ませ、居間へと戻った。


　


揃って座っていた兄弟たちはどこかニヤニヤしていて。


　


　


　


カラ「きっと驚くぞ、十四松」


　


　


　


カラ松の言葉にハテナを浮かべるも、その理由がすぐに彼にもわかった。


　


　


　


『できたよー……あ』


　


「…！！！？あれ！？」


　


『……おかえり十四松兄さん』


　


　


　


台所から顔を出したのはA。


　


手にはご飯を乗せたお盆を持っていて、十四松を見るとどこか嬉しそうな顔をした。


　


反対に十四松は、状況を飲み込むのに時間がかかっているのか大きな口を開けたまま固まっている。


　


もう仕方ないな…なんて思ったAは、兄弟の囲んでいるテーブルにお盆を置く。


　


そして、自分より背のある十四松に抱きついた。


　


　


　


『…Aだよ。覚えてる？十四松兄さん』


　


　


　


抱きしめられる感覚に意識を取り戻した彼は、バッと彼女を見下ろす。


　


ここにいるのは、自分のたった一人の妹だということを確認するように、今度は抱き上げて。


　


　


　


『わっ！？ちょ、兄さ…』


　


「A！！Aだよね！？僕の妹のAでしょ！？」


　


『…うん、そうだよ』


　


　


　


旅立つ日には泣いていた自分の兄が、今はキラキラとした目で私を見ている。


　


Aは嬉しくてしょうがなかった。


　


帰ってきたことが、間違えじゃなかったことに。


　


　


　


「おっかえりーA！！！」

なんで帰ってきたの？→←＊作者より

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