【おそ松さん】本物のおフランス帰り

お迎え ページ22

「じゅっ、じゅうしまづうぅ……みんなぁ…」


　


『一松兄さん落ち着いて？園内にはいるんだからさ』


　


　


　


現在、四男と共に他の兄弟に置き去りにされている。


　


しかも成人済みの、いつもは済ました顔してドS野郎の一松兄さんが泣いている。


　


置いてかれたくらいで。


　


正直ちょっと引いたのは内緒。


　


道行く子供や大人がジロジロ見てくるのは当然だと思う。


　


しかも引いたわりにかわいいなんて思ってしまう私はただの兄大好き重症野郎だろう。


　


自分で言ってて泣けてくる。


　


　


　


「一松にいさーーんんっ！！！」


　


「Aー！！」


　


　


　


さてどうしたものか、と考えにふけるところで救世主。


　


次男と五男だ。


　


　


　


「じゅーしまつうううぅ！！！」


　


　


　


泣き顔をバッと上げて接近してくる十四松兄さんを呼ぶ一松兄さんに起こる悲劇は予想できた。


　


　


　


「どううぅんっ！！」


　


「ぐっ、は、！！」


　


　


　


ぶつかる前に止まれなかった十四松兄さんは雄叫び上げながら一松兄さんに激突。


　


…まあ、よくあることかな。


　


私がフランスに行く前はもうちょっと控えめだった気がするけど。


　


　


　


「すまない！置いていってしまった…」


　


　


　


十四松兄さんの後に駆け込んできたカラ松兄さんは“俺は兄失格だ…”みたいな顔してる。


　


いやいや重く受け止めすぎだよ。


　


　


　


『大丈夫。迎えに来てくれたし』


　


「変なやつに声かけられなかったか？怖いおっさんとか…」


　


『そんな人動物園にいないと思うけど』


　


　


　


きっと私たちを放ったらかしているであろう長男と六男に比べれば過保護の方が……いいか悪いかはわかんないな…。


　


多分心配してるけど次男、五男の方が見つけるのが早いと思って来ないチョロ松兄さんが一番安定。


　


とりあえず一松兄さんは泣きながらカラ松兄さん殴るのやめようか？

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