【おそ松さん】本物のおフランス帰り

動物園 ページ20

「A〜？早く早く〜！」


　


『はしゃぎすぎ…』


　


「スンゲー！！でっけー！！！」


　


「十四松静かに…！」


　


　


　


結局、7人で動物園にやって来た。


　


私がゆっくり朝ごはんを堪能して、ごちそうさまをした頃には乱闘がエスカレートしていたから兄たちをまとめることにして。


　


　


　


“全員で行けるところにしたら？”


　


　


　


その結果、こんなことになった。


　


　


　


「どうした？」


　


『…目立つなぁと思って』


　


　


　


赤塚区から離れて来たからか、同じ顔が6つという状況に他の客が物珍しげな目を向けてくる。


　


こういうとき、私の兄たちは只者じゃないと思う。


　


まあそんなこと、気にも止めていないのが六つ子だ。


　


　


　


「あー…気にすんなよ。俺らは楽しめばいいだけだし？」


　


『わかってるけど…』


　


　


　


こう、人にジロジロ見られるのは嫌。


　


私に向けている目じゃなくて、兄たちに対してが一番嫌。


　


決してみんながみんな、好奇な目を向けているわけじゃないけど。


　


私にとってはただの兄だから。


　


そう見られると、イライラが募る。


　


　


　


「ノンノン」


　


『…え？』


　


「いけないぜ、そんな顔をしちゃ。ladyには似合わない」


　


　


　


突然よくわかんないことを言い出す次男。


　


最初の一言で軽く引いちまったよ私。


　


でも気にすんなって言ってくれてるのはわかるから。


　


　


　


『…カラ松兄さんはそんなだからモテないんじゃない？』


　


「え？」


　


「ねえなーにやってんのー？次行くよ次！」


　


『ほら、行こうよカラ松兄さんっ』


　


「あ……あぁ！」


　


　


　


きっと笑えてる。


　


私は兄さんの手をとって、呼んでいるトド松兄さんの元へ駆けた。

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