【おそ松さん】本物のおフランス帰り

おかえり ページ15

歓迎してくれなかったら？


　


もういらない存在だと思われていたら？


　


妹という家族の形が、ただの肩書きになっていたら？


　


考えただけで兄さんたちの顔を見たくなかった。


　


拒否されることが、一番辛くて。


　


でも会いたくて。


　


一緒にいれなかった二年間を、これから埋めてしまいたくて。


　


20歳にもなってこんなこと思うのは、やっぱり変なのかな。


　


けどそれほどに、私の中で六つ子の存在は大きいから。


　


ブラコンだってなんだって構わない。


　


本当は私が、一番兄さんたちを好きなんだ。


　


　


　


「…俺は…いや、俺たちはみんな待っていたんだ。きっと妹は帰ってくるって」


　


　


　


黙って私の話を聞いてくれていたカラ松兄さん。


　


背中を撫でてくれていた手と、密着した私との距離を少しだけ離して。


　


　


　


「おかえり、A」


　


　


　


優しく笑ってくれる目の前の人は、私の大好きな二番目の兄さん。


　


その日の夜は、私の寝ていた一人用の布団に、カラ松兄さんと二人で入って二年ぶりの安眠についた。


　


　


　



　


　


　



　


　


　


　


　


　



　


　


　



　


　


　


(バカだなぁA…兄ちゃんたちがお前を嫌いになるわけないのに)


　


(うちの妹ってほんとかわいい…)


　


(慰め役がクソ松っていうのが気に食わねえ…)


　


(いいないいな！僕もAぎゅーってしたい！！)


　


(かわいいのはどっちだか…Aほんとにわかってないよね)

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