貴女が他の男に迫られていたら M.T.CbyLon ページ8
Mr.HC
「おいテメェ、誰の女に手ぇ出してんのか分かってんのか。」
今、初めて。ずっと怖いと感じていたドスの効いた低い声に安心した。
捕まれていた手首がぱっと離される。押し付けられていた壁からようやく離れることができて、背中がひやりとしたのはきっと風のせいだけじゃなかった。どくどくと心臓がうるさく鳴り響く。
「碧棺左馬刻…!?…テメェ、イロなんか居たのかよ…!!」
「あァ!?!?」
一際多きな声が響いたかと思えば、此方に歩み寄った左馬刻がAの手首を掴んで引き寄せる。その手つきは優しくて、まるで目の前の男に触られた所を上書きするかのよう。Aの肩を抱き、自分の胸元に収めると左馬刻は、ちゅ、と頭にキスを落とした。
「こいつがイロなんかな訳ねぇだろ。」
「……ひっ、」
彼が悲鳴を上げたのは、左馬刻がその手にマイクを握り締めたから。キィン、と言う聞き慣れた音がして、左馬刻はニヤリと笑った。髑髏のマイク片手に、ポンポンとAの頭を撫でる。
「…俺から離れんじゃねぇぞ。馬鹿。」
ヨコハマの王のリリックを、特等席で聴けるのはきっと。私だけ。
45Rabbit
「今すぐ手を離さないのなら強制わいせつ罪でしょっぴいてあげましょうか? そこの女の方、嫌がってますよね?」
路地裏の連れてかれて、押し付けられた所でもう終わりだと思っていた。一瞬浮かんだ彼の言葉が現実となって聞こえて、自分は幻聴でも聴いたんじゃないかと疑う。けれどもそこには確かにニヒルな笑みを浮かべた銃兎が居て。思わず堪えていた筈の涙が溢れた。
「銃兎、さん…!!」
「あぁ!? テメェこのサツと知り合いなのかよ!!」
「分かったならさっさと手を離せボンクラが。それとも今すぐブタ箱にぶち込んでやろうか!?」
ぐ、と威嚇するかの様に男の手首を真紅の手袋が掴む。張り付けたような笑みが気持ち悪いのか、男はちっと一つ舌打ちを残して路地裏から出ていった。握られていた手の感触がまだ、手首に残っていて、気持ち悪い。
「そんな泣くなって…。俺が来たからもう大丈夫。な、怖かったな。もう大丈夫だから。」
「じゅうと、さん…!!」
「大丈夫大丈夫。落ち着けって。Aになんかあったら直ぐ助けてやるよ、仕方ねぇからな。」
それを知っているのか知らないのか。優しく手首を握った銃兎さんは、今度は。にこりと、優しく微笑んだ。
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リオ(プロフ) - 朱寧さん» ありがとうございます(^ ^) (2019年3月24日 21時) (レス) id: 36457bb11b (このIDを非表示/違反報告)
山吹桜(プロフ) - 朱寧さん» 分かりました! (2019年3月24日 14時) (レス) id: dc74c43e3f (このIDを非表示/違反報告)
朱寧(プロフ) - 作者様伝言の確認お願いします! (2019年3月24日 12時) (レス) id: 28fe66ac14 (このIDを非表示/違反報告)
朱寧(プロフ) - どぅるじさん» 主催者のLonさんに代わって、失礼します!リクエスト承りました!遅くなってしまいましたが、今週お題にさせていただきます!ありがとうございました! (2019年3月24日 10時) (レス) id: 28fe66ac14 (このIDを非表示/違反報告)
どぅるじ(プロフ) - リクエストお願いします!夢主ちゃんが隣で真顔で泣いてたらをお願いします! (2019年3月9日 19時) (レス) id: 90d23b1642 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Lon x他3人 | 作成日時:2019年1月21日 21時