赤ずきんちゃんとオオカミくん (ページ19)

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Aside

ーーー

「…どうしたの？」

急に後ろから声をかけられて

ドキッとして慌てて後ろを振り返る。

『………っ…！！』

「…なんか困ってるみたいだけど…。」

.

振り返った私は
思わず言葉を失ったんだ。

.

あの時と同じように……

.

『……ぁ、あの…
どちら様ですか……？』

.

「ははっ。やっぱ驚くよなぁー！
俺、宏光っていうんだ。
隣の森に住んでんの。」

よろしく！って差し出された手は
人間の手だけど、

頭には太輔くんと同じように
耳が生えてて、尻尾もある。

『…………っ………』

.

なに…このひと…。

太輔くんとおなじオオカミ…さん？

.

そんな私の怯えなんてお構い無しに

宏「ん！はい！！よろしくー！」

『…きゃっ！』

ガシッって手を掴まれて握手をされた。

.

宏「ははっ！そんな怯えんなって！！
俺なんもしねーし！」

がははって笑うこの人は

太輔くんとは違った雰囲気のある
少し童顔な少年みたいなオオカミでした。

.