転校生は婚約者でした 【桃】

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『おはよー！るいはいつも早いね〜。』









私は菓子パン片手に珍しくチャイム前に登校すると、親友にあいさつした。










るい「いやいやAが遅いだけ。」










『えー？間に合えば良くない？』










「おはよ、みんな。」










その声に一瞬で反応し群がる女子たち。





一瞬で反応した、といえば私もなんだけど。





群がっている女子たちは黄色い悲鳴というより何かを必死で訴えかけているように見えた。










るい「あ、Aと同じ考えのやつ来たよ。」










『あー……ホントだ。』












今気づいたふりをして桃澤くんを見る。










『にしても今日は一段と囲まれてるね。』










るい「あー来週花火大会だもんね。」









誘うのに必死なんじゃないと、廊下に貼ってある花火大会のチラシを指差す。










『え！花火!?るい、一緒に行こうよ！』










るい「え？運命の人と行くのかと思って彼氏誘っちゃった。」










ごめん、とあっさりしているるい。










『運命の人って！





……ってるい、彼氏いたの!?』










るい「うん。言ってなかったっけ？隼人さんだよ。」









推しだった隼人さんと付き合っていたなんて……。





やっぱりファンとかじゃなくてただの恋だったんじゃないのかな？





まぁ詳しいことはわかんないけど。










『そうだったの……？





……るい、なんで教えてくれなかったのー!?





それに、私がいればいいんじゃないの〜？』










るいに彼氏ができた寂しさを爆発させる。





いや、おめでたいんだけどね？










るい「はいはい、ごめんねー。






それよりさ桃澤くん誘わないの？」










『え？』










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