転校生は婚約者でした 【桃】

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『るい！おまたせー！





ごめん〜！電車遅れててさ』










黒い短めのTシャツにガウチョパンツの親友に挨拶する。





私も久しぶりロングスカートを引っ張り出してきて自分なりにおしゃれしてきたつもりだけど

スタイルも良くてセンスのあるるいには敵わない。










るい「全然待ってないよ。じゃ行こう」










るいはそれだけ言うとあるき出した。





でも私を置いていくわけでもなく、るいより10cm近く身長が低い私にちゃんとあわせて歩いてくれる。





私の親友は美人でイケメンだ。










『にしても、珍しいね。るいがこんなに本気なの。ていうか、どこに向かってるの？』









と、るいの顔を覗き込んで見る。










るい「お母さんから聞いてないの？」










『え？うん』










るい「裕子さんに、花火のときAはどんな浴衣着るんですかって聞いたら今古いのしか無いから買おうと思ってるって返ってきて。



だったら私も買うんで連れてきますねってことでお金預かってきた」










と、説明された。





裕子というのはうちのお母さんで、るいとは家族ぐるみの仲だから繋がりが深い。





そして、お母さんは猪突猛進タイプでるいは冷静沈着なタイプと、正反対の性格で、逆にそれが合ったみたいで特に仲がいい。





だから私が知らないところで知らない会話もしているらしい。





また、こんなふうにお母さんのお願いでるいが私の気持ちも聞かずに勝手に買い物に連れて行くこともしばしば。










まぁ、慣れたしいいんだけど。










そんなことを思いながらるいの背中を追った。











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