【松岡凛】ばーか (ページ1)

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小学6年生の時、赤色の髪が特徴的な男の子が転校してきた。

『はるちゃん、赤いね』

「…ああ」

隣の席のはるちゃんこと七瀬遥に声をかけると、眉間に皺を寄せたまま返事が返ってきた。

どうしたのかな？

でも、どこかで見たような…

その転校生は、“松岡凛”というらしい。

「女の子みたいな名前ですが、男です。よろしくお願いします！」

そう言って、満足そうに笑った。

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「スッゲーな、この木！桜かなんか？」

「桜だよ」

転校生の質問に、まこちゃんが答える。

私ははるちゃんを盾にして、顔を覗かせて見ている。

転校生は、春になって咲いた桜が落ちたプールで、泳ぎたいらしい。
泳ぐの好きなのかな？

「水が冷たくて無理だよ。泳ぐのはやっぱり、夏になってからじゃないと」

と、まこちゃんが冷静にツッコんでいる。

「冗談だよ冗談」

なんかチャラそうだなーと思っていると、さっきまで黙っていたはるちゃんが、口を開いた。

「お前に聞きたい事がある」

「なんだ？転校生は初日に締めとこうってか？」

「違うよ。僕たち、大会で何度か一緒になった事があるよね」

「！覚えててくれた？」

私は、はるちゃん達の大会を見に行った時の事を思い出す。

『ああ…！』

確かに見たことあるかも！！

「そんな怖い顔するなってー！あと、その後ろの子は？」

私？

「僕たちの友達だよ。大会も見にきてくれてるから、何回か見たことあるんじゃないかな？」

『あ、えっと…水戸津Aです。よろしく…』

「うん、よろしく！」

『！』

あ、やばい。これは落ちた。

「？Aちゃんどうかした？」

『ううんっ！なんでもないっ！』

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