名前のない関係─CM (ページ36)

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「あんま無理しないで」

「ん。。でもね、こんな風にがむしゃらに一生懸命に・・何かを本気で頑張ってみたいんだ」

画面の中の2人を見ていて思う。
全てを込めるステージは見ていて圧倒するほど本気が伝わってくる。

「楽しそうな顔見てるとさ・・ここまで頑張って見せる笑顔は本気だって思うんだよね。
　私もこんな風に笑ってみたいなって・・そう思えるんだよねー・・・」

「・・・だからって体壊したら元も子もない」

「チャンミン、よくそんな言葉・・知って・・る・・・・ね！？」

しまった！！
全くもってこの部屋にチャンミンがいるって忘れてた！！

「雑炊、もう少しで出来ますから」

「は、はい・・」

何言っちゃってんだろ、私！
慌てて停止ボタンを押した。

「いいんですか、もう」

「いいです、もう」

「あー俺いるの忘れて語ってましたもんねー」

「・・・」

「はい、出来ました」

お椀によそった雑炊は卵が入ったシンプルなものだったけどおいしそうだった。

「チャンミン、ありがとう・・もう・・」

「薬も一応買ってきました。熱は・・」

そう言って手をおでこにあてる。
慌ててその手を両手で下におろした。

「大丈夫！ありがとう！！」

そう言った瞬間ムッとするのがわかった。

「ほんと、来てもらってありがとうね。雑炊も」

「食べられそうですか」

まだむすっとしてるチャンミン。

「うん、これ食べて薬飲んで寝れば大丈夫」

「熱、あるみたいなんで・・これも使ってください」

冷却シートをはがそうとするチャンミンにまた慌てる。

「チャンミン・・！」

「やー！そんなに慌てて帰そうとしなくても、一応・・」

「そうじゃなくて！」

「え？」

「風邪！うつったら・・」

「あぁ・・」

「レコーディング中なんでしょ？のどの痛みもあるの。だから・・」

「大丈夫です。ちゃんとうがいして手を洗って・・」

「ごめん、私今・・ボーっとしてるから・・ここ、自分の部屋だしね・・」

「うん？」

「歌声好きだから」

「へ？」

「聞かせて欲しいんだ。チャンミンの歌、ちゃんと・・だから風邪でもひかせたら・・」