名前のない関係─CM (ページ20)

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ピーンポーン

「あ、噂をすれば・・タカシかな？はいはーい」

全部忘れたことに気づいたタカシが戻ってきたのかと思ってドアをあけようとすると
チャンミンに手を掴まれて阻止された。
チャンミンを見上げるとドアの方を指さして
“かのじょ”と口パクをされる。

「タカシくん・・・？」

彼女か！タカシの彼女か！！・・これは・・ヤバイ、ヤバイかも！！

「いるんだよね？なんで電話も出てくれないの？」

声を出せない代わりに2人でアチャーと言うジェスチャーをした。
タカシのバカ！なんで携帯忘れるのー！！

「ごめんね、入る・・よ？」

合鍵持ってたかー！もうそんな感じかーー！！
ドアノブが回って彼女が入ってきた瞬間、私はチャンミンの腕の中にいた。

「え？」←彼女

「あ」←チャンミン

「は？」←私

一瞬凍る空間に息をするのも忘れそうになった。

「あ、すみません！」

慌てて引き返そうとする彼女にチャンミンが、閉めて！と言うもんだから彼女は慌ててドアを閉めてこっちを向いた。

「タカシの彼女・・だよね？」

「あ、はい・・」

「初めまして、チャンミンといいます。タカシの友人の・・」

「そうなんですか・・」

ポカンとしている彼女にもっとポカンとしている私。

「彼女はAです、元々はタカシの友人で・・タカシの紹介で僕たちお付き合いをしていて・・」

え！？と声がでそうなのをギュッと力を込めて抱きしめられて声が出ないほど苦しくなった。

「僕のこと知りませんか？」

「あ、はい・・まだご友人のことまでは・・」

そう言った瞬間いろんなことがまずいと思えてきた。
え、この子東方神起のこと知らない！？
そしてこの状況、チャンミンやばいんじゃないの！？

「僕は一応芸能関係の仕事をしておりまして・・彼女と外で会うことはできないんです・・」

え？あ、そういう設定？
いや、でも、この子・・いいの！？
頭の中はパニックだ。
「それで時々タカシと3人であったり・・こうやって時々2人きりにさせてもらったりしていて・・」

「あっ、そうだったんですね・・私ったら・・」

「タカシからあなたがそのせいで誤解をしていると聞いてきちんと話をしようと思ってたんですけど
　タカシ、今ご飯を買いに行ってて・・彼女が自分のせいだって泣くので慰めてたんです」

どうしてこう嘘がペラペラとでてくるのか・・
すごいね、今思いついたの？その設定、頭の回転早すぎるわ。