〇23話 やめて、 ページ23
倫くんは何かを考えているようで、その様子を黙って見つめていた。しかし、その目は驚きと期待に満ち溢れていた。
そんな中、あの金髪だけが真剣な顔で此方に近づいてきて、私にこう尋ねてきた。
侑「なぁ、自分どこ中出身なん？教えてくれや」
その言葉に、私は固まってしまった。
「…………………言わなくちゃダメ？」
侑「確認したいことがあんねん」
あぁ、そんな期待した目で見ないで。
ここでバレたらきっと色々と追求されるに違いない。
どうしよう。。
「どうしても言わなくちゃダメ？」
気づいたら私達の周りは静かになっていた。
稲荷崎も、梟谷も
皆が私と金髪の話の行方を固唾を飲んで見守っていた。
侑「何でそなに隠そうとするん？」
倫「やめなよ侑、姉ちゃんにだって言いたくない事あるんだからさ」
倫くんが注意をしてくれた。
それでも金髪は止まらなかった。それも少し、興奮気味だった。
侑「自分、一花谷の女バレの主将だったんちゃうか？今のトス見てやっと分かったわ」
「……………だったら何？やめて、それ以上言わないで」
侑「俺は、俺はあんたのプレーに惚れたんや！！中総体の時、MVPとった時の試合を見て、俺もこんな風にバレーしたいって思えた。なぁ、答えてくれ、何でバレーやめたん？『コート上のタンザナイト』さん」
やめて、やめて、その名前で呼ばないで。あぁ、気持ちが悪い、あの男が私の記憶の断片にこびりついているのがわかる。
「やめて、っその名前で呼ばないでっ！！！！」
思い出したくないあの時の記憶が、また鮮明に現れてしまうのが怖く、私は頭を抑えて振り乱した。
倫「姉ちゃん！！ごめん、ごめん、俺が止めれば良かった。何も、何も思い出さなくていいよ。一旦落ち着こ」
「いやっ、いやだっ、はぁっ、はあっ、はあっ、っひゅー、っは、っは、はぁっ」少し過呼吸になっているのが自分でもわかる。
苦しい、涙が出てきそうだ。
侑は私の様子を見て酷く驚いていた。
倫「っ姉ちゃん！息ゆっくり吐いて、そうそう、ゆっくりゆっくり、出来たらゆっくり吸おうね。赤葦、姉ちゃん保健室連れていくから、案内してくれない？」
倫くんが横抱きにしてくれた。心做しか落ち着いた気がして安心した。
赤「あ、うん。わかった、こっちだよ、ついてきて」
倫「あ、それと、梟谷のマネさん、音駒の人達にちょっと説明しといてくれると有難いです。詳しいことは俺から話しますんで」
倫太郎はそれだけ言い残し赤葦と、Aを抱えたまま第2体育館を去った。
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水色のエコバッグ(プロフ) - 火災報知器さん» 主人公にとって来年の1月辺りに大学受験がある事を想定して書いたのですが、分かりにくかったかもしれません！加筆しようと思います、コメントありがとうございました！！ (2021年9月12日 12時) (
レス) id: efeba5a6bb (このIDを非表示/違反報告)
火災報知器 - 9話の所、来年じゃなくて今年じゃないんですか？来年だったら2年生って事になると思うんですけど… (2021年9月12日 11時) (レス) id: 32bfa4335a (このIDを非表示/違反報告)
水色のエコバッグ(プロフ) - ネココさん、コメントありがとうございます！初めてコメント貰えたんでとても喜んでますっ！！自分で書いていて主観的になりがちなのでそう言って貰えて安心しました(*´ω｀*)これからも更新頑張ろうと思います！ (2021年9月1日 21時) (レス) id: efeba5a6bb (このIDを非表示/違反報告)
ネココ(プロフ) - この作品大好きです！みんなの性格とかいろいろ表現されてて…すごいです！更新頑張ってください！ (2021年9月1日 13時) (レス) id: f94720425d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水色のエコバッグ | 作成日時：2021年8月20日 17時
