第拾弐話 怒れ ページ14
(冨岡義勇side)
泣くな。
絶望するな。
そんなのは今することじゃない。
目の前の少年が打ちのめされていることはわかっている。
家族を殺され妹は鬼になり。
つらいだろう、叫び出したいだろう。
「(
俺があと半日早く来ていれば、少年の家族は死んでなかったかもしれない。
だが、時を巻いて戻す術はない。
怒れ。
許せないという強く純粋な怒りは、手足を動かすための揺るぎない原動力になる。脆弱な覚悟では、妹を守ることも治すことも、家族の仇を討つこともできない。
だから。
「!やっ…」
怒れ。
俺は、
「やめろーーーーっ!!!!!」
少年は激昂し、石を投げつけてきた。
だが、一直線に飛んできた石は何の脅威にもならない。
刀の柄で石を防ぐ。
少年はこちらに走りながら、また石を投げつける。
速度は遅い。顔を背けると、背後にある木の幹に石が当たった。
走りながら投げれば、標的がうまく定まらない。
「あああああ!!!!」
怒りに任せた単純な攻撃。
「(愚か!!!)」
愚直に向かってきた少年の背中を、柄頭で殴る。
すると、少年の身体は雪の上に倒れた。
「(斧はどこだ…?)」
走ってくる前、たしかに斧を持っていたはずだ。
どこに行った…?
と、視界に影が差す。同時に、空気を切る音が聞こえる。
上を見ると、回転している斧が眼前に迫ってきていた。
「っ!!」
間一髪避けると、斧は木の幹に突き刺さった。
驚きつつ、冷静に考える。
木の陰に隠れる直前こちらに石を投げ、木の陰に隠れた時上に斧を投げた。
俺に勝てないのがわかっていたから、自分が斬られた後で俺を倒そうとした。
「(こいつは…)」
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しろりん(プロフ) - 鬼滅の刃の原作沿いの中で一番この作品がお気に入りです...。兄主さん...素敵なお兄さんですね...。更新頑張ってくださいね!...早く善逸や伊之助にも会ってほしいな...。 (2022年5月7日 10時) (レス) id: 5f15beaff6 (このIDを非表示/違反報告)
猫を愛している者 - 続きは書かないんですか? (2020年8月15日 22時) (レス) id: f0ad13efd7 (このIDを非表示/違反報告)
南無南無(プロフ) - そうだったんですね!良かったです…!! (2020年2月22日 22時) (レス) id: e2dd911ff4 (このIDを非表示/違反報告)
仍(プロフ) - ヤトさん» ありがとうございます!返信遅れてしまって申し訳ありません… (2020年2月16日 14時) (レス) id: dec789af05 (このIDを非表示/違反報告)
仍(プロフ) - 南無南無さん» 終わってないんです!すみません!!漫画が手元に無いとお話が書けなくて、なかなか更新出来ずにいます…本当に申し訳ないです…更新お待ち下さい!! (2020年2月16日 14時) (レス) id: dec789af05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:仍 | 作成日時:2019年9月16日 14時