第151話 ページ3
いいや、きっとこれは私のせいじゃない。誰かが不思議な力を使って、思い出させてくるのだ。
＊放っておいてよ。
私は罪をおかしたの。昔の天使様、兄さんと同じことをしてしまったの。言い訳なんて出来ない。私がもっとしっかりしていればこんな事にならなかったの。みんな、最後には優しくしてくれたのに、私が裏切ってしまったの。
ぽつり、ぽつりと大きな粒が頬を伝って地に落ちる。涙ひとつが呪いへと変わる。こんなの可笑しいよ。
＊私は、誰も呪いたくなんか、ないのにっ……。
「違うだろ。」
間違えるはずがない。懐かしいその声に、Friskは徐ろに顔を上げた。彼は大事なあの子に、手を差し伸べる。今度は間違えない。壊したりなんかしない。審判者として、いや、自分自身の選択で、彼女の手を取るのだ。
「誰も、最初から呪ってなんかいないだろ。君は助けたかっただけだ。皆を。例え形が酷いものだったとしても、みんなまだ生きてるのは確かなんだ。」
いいや、難しい話なんてどうでもいい。Pokerの願いはただ一つだ。酷い願い事かもしれない。エゴに塗れてるかもしれない。それでもいいんだ、とPokerはFriskの手を握り、引っ張りあげる。
「僕の傍にいて欲しいんだ！帰ってこい！Frisk！！」
起き上がった瞬間、辺りは光に包み込まれる。Friskは思わず目を瞑ってしまったが、光が消えると同時に目を開ける。
＊呪いは解き放たれた。
Friskが目を覚ますことによって、世界を覆っていた草木たちが白い光となって消える。それはまるで、シャボン玉のように、雪のように溶けて消えてしまったのだ。
モンスターたちはざわついたが、すぐに何が起こったのか理解した。泣いている天使様を抱きしめるSansを見て、全て悟ったのだ。
「魔法が、解けた。」
口にしてやっと理解したのか、Dreamの目から涙が零れ落ちる。今度こそ、彼は兄弟のように身近な誰かを亡くすことはなかったのだ。皮肉のように感じつつも、幼なじみの彼女が無事であることに安堵した。
「っ、ぁ……Sans？」
「ああ、そうだ。」
「Sans……Sans！スケルトンのSans！！」
Friskは確かめるように何度も彼の名前を呼び、生きているのを確かめるように抱きしめ返した。よかった、よかった、と大粒の涙を零しながら泣き叫ぶ。
＊……そう。最初からMiraを。
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あゆさ(プロフ) - leiさん» ありがとうございます！とても嬉しいです！励みになります！！ (2022年5月26日 23時) (
レス) id: aa986c6595 (このIDを非表示/違反報告)
lei(プロフ) - 初コメ失礼します！あゆささんの作品本当に面白いです！とても応援しています!(^^)! (2022年5月26日 17時) (レス) id: 005bcc4d2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あゆさ | 作成日時：2022年4月13日 21時
