第6話 ページ6
その時、Inkの体に青い糸が絡みつき、変な時空に引き込まれて行ってしまった。何も出来ず、ただInkの手を掴もうとしていた手は空気を掴むだけ。
「……どうしたもんか。」
とりあえず、下手に動くのは良くないと思い、近くのベンチで座って待つことにした。
＊
Inkが引きずり込まれた先は青い糸で吊るされたソウルがある世界だった。あー、またここかーと、呆れたように宙を眺める。
「お前、ほんっと、いい加減にしろよ！！」
真っ黒なスケルトンがプルプル震えながらこちらに向かって怒鳴ってくる。ぐるぐる巻きにされ、てるてる坊主のように吊るされているInkは、笑って誤魔化すように、「なんのこと？」と言った。
「ざけんな！マジで、あいつと友達なんかじゃなきゃぶっ殺してるわ！！」
「おまえ死なねぇけど！」と矛盾な発言をしている。事実そうだが、彼にとっては本当に殺したくて堪らないのだろう。
「まあまあ、何をそんなに怒ってるの？Error。」
しらを切るInkに流石に怒り爆発寸前になるかと思えば、急に冷静になるError。
「……お前が連れてるAU、絶対あの世界には連れてくなよ。いくらバグが治まったとは言え、あいつに悪影響与えかねない。」
思いもしない言葉にInkは目を丸くする。ここまでErrorを丸め込んでしまうとは、やはり彼女、スケルトンたらしなのでは？と改めて思ってしまう。
「大丈夫だよ。僕だって、もうごめんだし。」
Errorはそういうことじゃないと、言いたそうな顔でInkを睨みつける。トラブル体質のお前は無意識にそういうことやるだろうがと心の中で悪態をつく。だが、何を言っても忘れてしまうのだ。とりあえず、念押ししておくことにした。
「いいか？絶対連れてくなよ！？」
Errorは最後の忠告を終えると、Undertaleの世界にInkを放り出した。ちゃんと送ってくれる辺り、優しいんだよな、と思うInk。こんなこと口にすれば尚更殺されそうになるんだろうと、容易に想像できた。
辺りを見渡してあのSansを探す。Sansと呼ぶのは気が引けた。ここはオリジナルの世界のため、混じってしまうからだ。呼び名を考えなければ。
キョロキョロしていると、ようやく見つけることが出来た。どうやら、公園で子供たちに囲まれているようだ。
「すごーい！！魔法も使わないで、
どうやって出したの！？」
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作者名：あゆさ | 作成日時：2021年7月16日 19時
