FATALE (ページ42)

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第42話ページ42

そういうとAsgoaは新品のマグカップにお茶を入れ、Miraの前に出した。見慣れないマグカップにMiraは思わず手に取って、眺めてしまう。

「ごめんなさいね。この間、貴方のマグカップを割ってしまったの。」

「それでね！ボクたちが買いに行ったんだ！」

「Miraをイメージして買ったんだけど、どうかな？」

Miraは嬉しさのあまり泣いてしまいそうだった。彼女は微笑んで、ありがとう、と言ってFriskたちの頭を撫でていた。

「さあ、Willeも座って？みんなでディナーにしましょう。」

「……お邪魔します。」

Miraの隣に座るWille。Charaが大騒ぎしたものの、目の前に座ることで解決した。いつもの賑やかさと、家族が温かく迎え入れたことでMiraの不安はこの時だけ、かき消された。

＊

DreamはFriskの元を訪れる。この間のことがあり、気まずく思いながらも、やはり彼女のことが心配なのだ。

「……Dream、また来てくれたんだね。」

彼女は嬉しそうに微笑んだ。Friskの下半身は既に草木に埋め尽くされ、植物と化していた。泣いてしまいそうなのを堪えながら、Dreamは誤魔化すように笑って、Miraから貰ったお守りを彼女に差し出した。

「友達がくれたんだ。僕と君に。」

「お友達？……そっか、Dreamにもお友達出来たんだね。心からそう呼べる人が。」

自分に向けられた感情は全て自分の体質で向けられたものだったから、Dreamはそれが嫌で仕方がなかっただろう。けれど、今は違う。ちゃんとDreamを見てくれる人が現れたことを知れて、Friskは母親のように嬉しくて堪らないのだ。

「Dream。私、その人のこと知りたいなぁ。どんな人？ああ、もしかしてスケルトン？」

「……ニンゲンだよ。今の兄弟を、ちゃんと見つめてくれる人。Miraって言うんだ。」

Friskは目を見開いた。変わってしまったNightmareに寄り添ってくれる。しかも、その種族はニンゲンだと言うのだ。Friskには見えなかった未来だが、同時に嬉しくもなったのだ。

「そっか、今の君たち兄弟を受け入れてくれる人なんだね。それは是非とも、お礼を言いたいなぁ。」

Dreamからお守りを受け取る。不思議とそのお守りからは温もりが感じられた。柔らかくて、あったかくて、まるで、雲に包まれているみたい。

「とても優しい人なんだね。」

「……うん。僕の大切な親友だよ。」

＿＿ああ、よかった。Friskは安堵した。