第41話 ページ41
「悪いな。InkやFlowey以外のソウルレスには会ったことがなくてな。」
Sansはどちらにもいい思い出がない為、顔を顰めそうになる。しかし、まだ決まった訳では無いので、いつも通りを装った。
「つまり、この特徴を知っている世界に行けば、僕は帰れる？」
「確かに稀な存在ではあるが、何文、世界が広すぎる。オイラが知らないだけで、他にもいるかもしれない。」
「そうか……。」
それもそうだ。自分だけが例外では無いのだ。その例が身近にいるにも関わらず、期待してしまった。
「なぁ、Sans、今日はMira来ないのか？」
AndainとAlphyが話に割って入ってくる。さりげなく話を逸らしていたというのに、Inkはまた騒ぎ出す。
「ああ、ちびっこ達と約束してたからな。今日は早く帰るって。」
「Mira！！なんでぇぇぇ！」
＊
「ヘックシュン！」
「風邪か？」
「ううん、違うと思う。ただのクシャミ。」
Miraはそう言ったものの、Willeは少し嫌な予感を感じていた。気の所為だと願いながら家の中へ入る。「ただいま。」と久しぶりの挨拶をするMiraに突進してきたのはCharaだった。ｳﾞｯと低い声が出て、Miraは一瞬苦悶の表情を浮かべた。
「おかえり！ずっと待ってたんだ！さぁ！早く中に入っ…………なんだ、お前もいたのか。」
「当たり前だろ。」
二人が言い合う中、廊下の角からぴょこんと顔を出すFriskとAsriel。騒ぎを聞いて覗きに来たらしい。二人の顔はパァっと明るくなり、Miraの元へ駆け寄って行った。Miraの手を引き、中へ入れる。
「おかえりなさい！あのね、今日ね！」
「Asriel、まだ内緒。ビックリさせないと。」
「あっ！こらー！私一人、抜け者は許さないからな！」
WilleはMiraの後ろでため息をつきながらも、その光景を微笑ましそうに見つめる。MiraはFriskから貰っていた布で目を隠され、CharaとAsrielに手を引かれる。Miraは困惑しながらもドキドキしていた。
「ここに座って。」
訳も分からないまま、椅子に座らされるMira。Friskが布を取っていいよ、と言うので外してみると、目の前にはご馳走があった。
「こ、これは一体？」
「ふふっ、久しぶりの我が子の帰りだったから張り切って作りすぎてしまったのよ。」
「おかえり。今日は随分と大変だったみたいだね。いいお茶が入ったから、待っていてくれ。」
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作者名：あゆさ | 作成日時：2021年7月16日 19時
