FATALE (ページ5)

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第5話ページ5

【Undertale】

ここが、オリジナルの世界。Inkから説明は事前に聞いていた。地下世界に閉じ込められていたモンスターたちは、一人のニンゲンが落ちてきたことが始まり。奇跡を起こしたそのニンゲンと共に地上世界へ出たらしい。

「僕の世界も、そうだったのかな？」

彼の問いにInkは答えてはくれなかった。恐らく、そうじゃない世界も数多に存在するからだろう。

Ink自身も彼の出身場所は知らなかった。最近出来た世界なのか、それとも認識していなかった世界か、そのどちらかだと言っていた。

何故この世界を最初に選んだのか、理由は簡単。多少違えど、オリジナルの世界。ここを元に時間軸が発生しているのだ、何かしら得られるものがあるだろう。

「なるべくこの世界に干渉しないようにね。」

Inkは彼に注意を促したが、その本人は自由気ままに行くもので、説得力がなかった。何より、なんとなく彼の性格を見て感じていたことがある。Inkは＿＿。

「げっ……Ink。」

トラブル体質であること。どうやら早速発生したらしい。よりもによってオリジナルのSansに見つかってしまった。今の反応を見る限り、どうやらInkと知り合いのようだ。オリジナルはチラっと見知らぬスケルトンを見ると、すごく嫌そうな顔を浮べる。

「お前さん、また厄介事をこの世界に引き連れてきたのか？」

"厄介事"。自分に何の非も無いはずなのにそう言われると腹が立つ。だが、オリジナルが言った台詞は恐らくInkに向けられたものだった。

以前、何かあったのだろう。Inkは居るだけでいつ爆発するかもわからない爆弾ってところか、と自然と納得してしまった。

「厄介事だなんて失礼な！僕は彼の世界を探す手伝いをしてるんだ！」

「こいつの世界？」

Inkは順を追って説明しようとするが、オリジナルに止められる。話を聞いたら協力しなければいけなくなるからだろう。オリジナルの判断は的確だと感じた。関わらないで、と言っていた本人が、簡単に話そうとしてるのを見て呆れる。

「ま、なんだ。この世界に危害を加えないってんなら好きにしろよ。」

これ以上関わりたくないと言った様子でオリジナルは去っていった。Inkは頬を膨らまし、拗ねている。「酷くない！？」と同意を求められるが、彼があんなに嫌がっているのに強制したくはないし、そもそもの原因はInkにあると見たので彼は無言を貫き通した。