第32話 ページ32
WilleはMiraから貰った縄を持ち、ニンゲンたちを拘束する。ポケットなど、あらゆる所を調べ、刃物などを持ってないか探す。縄を解かれて逃げられないようにするためだ。
「……あーもし、俺のところがピンポイントだ。Muffet、Andain、代わりにこいつら頼む。」
「もういるわよ〜。」
「うわっ！ビックリした！」
天井から吊り下がって現れたのはMuffetだった。どうやら蜘蛛達を使いに出し、三ヶ所とも回ってたらしい。Inkからすれば、いつも驚かせる側が、驚かされる側になったので、不思議な気持ちになった。
一方でWilleは慣れた様子でMuffetに状況を知らせ、この場を頼んでいる。
「俺はMiraと合流する。」
「あら？でも、あの子、貴方を監視役としてこの場に残って欲しいって言ってなかった？」
「事情が変わった。余計な異物が入り込んだからな。」
「とかいって、ただ合流したいだけじゃないのかしら？まぁ、別に構わないのだけど。」
「いいんだ！？」
「煩い、元凶。お前も行くぞ。」
急いでMiraの元へ向かう。車のルートは間違いなくここに来るはずだ。Miraと挟み撃ちをすれば余計な手間が増えなくて済むと考えた。
＊
Pokerは人混みに紛れ込み、皆と同じ方向に向かったが、あまりの人の多さに酔ってしまった。ショートカットで先程いた位置に戻り、人混みとは逆の方角を目指すことにした。
Inkの事だ。目立つ場所には来ないはずだ。おそらく、多分、と言い訳をしながら歩く。そこへ、素早い車が横の道路を通り過ぎて行った。
「？あんなにスピード出して危なくないか？」
「こらぁ！！逃げるなぁ！！！」
車の後を追いかけるスーツを着た少女。バイクに乗った少女はPokerに見向きもせず、車を追いかける。追いつけるわけが無い。あんなにスピードを出されては。
「(困ってるなら、助けた方がいいか？)」
…………よし、と決意を固め。少女の後を追う。Pokerは車の行き先に大きな骨を出した。運転手はすぐに急ブレーキをかける。車に乗っていたFriskたちもその影響で倒れ込んでしまう。
「！きっとMiraだよ！」
「なら、私達も暴れていいってことだよな？」
「あ、おい！ガキ共大人しくし……ろ。」
いつの間に背後をとっていたのか、CharaとAsriel、Friskは見張りの男たちの首にナイフを突き付ける。
「ごめんなさい。大人しくしててください。」
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作者名：あゆさ | 作成日時：2021年7月16日 19時
