【UNDERTALE】決意と意志と奇跡

第43話 ページ43

「あの子からしたら
私は殺人鬼ですから

死んでしまっても
文句なんて言えない

そんな私を、なぜ希望だと、可能性だと
言えるのですか？」


「ーーーーそれは」


突然言葉を放ったことに


驚くオイラともう一人の存在


「君が命を投げ捨ててまでサンズを守ったからだ」


ーーーーーーーは……っ？


まさ、か……いや、そんなはずは


認識できなかった存在が


形作られ、色で満たされていく


黒と赤のしましまのセーターが目に付く


一度見たことがあるので誰だか、わかった


「A？」


静かに涙を零す、頬を伝って落ちる


決して涙を拭わなかった


まるで、認めるわけにはいかないというように


「あれは私の独りよがりなわがまま
死んで欲しくないって思っただけ

もしかしたら彼は死んでしまいたいと
思ったかもしれない
パピルスやみんなの後を追いたいと
思っていたかもしれない」


「それもまた勝手な妄想であることを理解してる
自分のおかげと言われるのを恐れているようだ」


顔を俯かせたが、肯定も否定もしなかった


まるで自分でもよくわからないといった様子だ


「私は、自分のした行動を他人に讃えて
欲しくないだけ、褒めて欲しくないだけ」


「何故？」


「嘘っぽいからです」


「例え、それが本当の褒め言葉でも？」


Aはギュッと自分の体を抱きしめる


何かから守るように、拒むように


「私に向けられた感情、好意がとても恐ろしい
私はその期待に応えられないから」


怒りを向けられたら、謝ればいい


憎しみを向けられたら、受けいれればいい


悲しみを向けられたら、慰めればいい


褒められたら？どうすればいい？


それは喜んでいいのか？それとも馬鹿にしてるのか？


自分を讃える言葉が恐ろしい


その期待に応えられない


期待してる反応が出来ないかもしれない


そんな自分を肯定する言葉が信じられないのだと


彼女はそういった


「君は自分が嫌いかい？」


「よく、わからないです。でも貴方たちみたいに
物語に出てくる人達は信頼出来ます
見ていたから……まだ、同じ世界の人間よりは」


「そうだろうね。こうして君は
私の質問に答えてくれているから」


質問を変えようと、あいつは言う


何を聞かれるかわかっていたのか


Aは無反応だった


「どうして、モンスターを殺したんだい？」


答えない


「好奇心かい？それともゲームだから？」


それでもAは答えない

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