【UNDERTALE】決意と意志と奇跡

第23話 ページ23

ソウルが砕け散った影響か


ちゃんとした言語を話せないようだ


キャラが居ない時に、あのちびっ子が持ってる


他のソウルを触らせてもらえれば


なにか手がかりがあるかもしれないな


黒い欠片がいくつあるのかは知らないが


キャラにだけは勘づかれるなよ、オレ


ギュッと握りしめると


ソウルが泣いているような気がした


「ーーーーありがとう、だって」


「！ アンタ、さっきの」


「……いいな、僕も、ありがとう……
伝えたかった……たすけて、ほしかったなぁ……」


黒い涙を零した瞬間


その子はまた消えていた


……いまはこのソウルの事だ


はやく、このソウルの謎を解かないとな


＊


部屋に戻ると、家がいつもより賑やかだった


オイラはソウルを瓶の中に入れ、懐にしまう


隣の部屋なら楽しそうな兄弟の声


どうやらパピルスと友達になってくれたようだ


ーーーーよかった……ああ、本当に、よかった……


安心するのはまだはやい、ここからだ


今回はイレギュラーのキャラがいる


だからーーー！


ドアをノックされる


「サンズいるんでしょ？あの子はパピルスと
今デートしてるんだよ」


微笑ましそうに笑う声が聞こえる


ああ、アンタは優しいやつだよ


だが、どうしてだろうな


信じたいと思うのに信じられないんだ


「……ねぇ、サンズ。しばらく楽しい話を
してないよね。前みたいにジョークが聞きたいな」


少し震えた声だった


だが、オイラは返事をせず居留守で誤魔化す


「……いないの？……そっか、いないんだ」


音が、声が聞こえなくなり


気になってドアに近づく


声を押し殺して泣くキャラがいた


「サンズ……サンズ……なんか、痛いよ……
心がいたいよ……君と二人だけで
話したいだけなのに」


……なんでそんなに苦しそうな声で泣く


やめてくれ、頼むから


その姿で泣くのは、苦しむのは


"好きだから"


思い出してしまうから、やめてくれ


＊


ウォーターフェル入口付近で見張りをしていると


ニンゲンとキャラが来た


オイラに気づいたニンゲンは


嬉しそうに駆け寄ってくる


キャラは一瞬目を逸らしたものの


少し曖昧に笑って見せた


「サンズ聞いて！パピルスと友達になれたんだよ！」


「おお、そいつぁよかったな。オイラからも
礼を言うぜ？あいつすごく楽しそうだ」


あまりにも無邪気に笑うので


昔のパピルスを思い出し、頭を撫でていた


「いまからグリルビーズ行くけど、くるかい？」

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