第百十八話 ページ18
小さな声で
言ったつもりだったのだが
どうやら彼には聞こえていたらしく
"それは違う"と否定した
「私こそ貴方から沢山のものを貰った
お礼なんて必要ないんだ」
ーーーそんなふうに返すのはずるい
本当に何もして返してあげられなくなる
「我がマスターは」
唐突に話し始めたのは
昨日のアーチャー討伐の作戦
セイバーは何も知らされなかったが
作戦を実行する前に伝えられたのは聖杯を探すこと
アーチャー達より早く見つけ
所持することを考えたのだという
だが結局聖杯は見つからなかった
「アーチャーたちが既に手にしたか
はたまた見つかっていないのか」
聖杯を悪用される前に
見つけておきたかった……？
やっぱり聖杯は危険なものなのだろうか？
いや、聖杯が危険なんじゃなくて
人間が危険なんだ
「ナギ殿には悪い事をした
ライダーの事は正直受け入れ難い方だったが
悪い方ではなかっただろうしな」
『セイバーが気にすることじゃないよ』
そんなことを話していたら
いつの間にか家に着いていた
『ここまでありがとう……それじゃあ
さよなら、
「ああ、さよならA」
そういって私の右手をとり
手の甲にキスを落とす
……まるで本当の王子様みたいで
いや、騎士様？
どちらにしろ物語に出てくる人みたいで
なんだか恥ずかしい気持ちでいっぱいだった
セイバーは、はにかんだ笑顔を見せ
そのまま帰って行った
＊
家に帰るとハイドがジロリとこちらを見る
ーーなんか怒ってる？
けれどそれだけで何も言ってこなかった
本当にどうしたんだろ？
「ん？帰ってきたか
じゃあ教えてやるから地下に行くぞ」
『あ、うん』
地下室に移動し、強化の魔術を習う
強化は物だけでなく
自身の体にも出来るらしい
私は意識を集中させ本を強化してみる
「一点にだけ集中しろ、他のことは考えるな」
彼に言われたとおりにし
強化するものだけに集中する
『……っ…………でき、た』
ナギくんは本を手に取り
手でコンコンと叩いてみる
「ふーん……魔術師じゃないって聞いてたけど
案外やるじゃん」
どうやら合格点を貰ったらしい
"次は"と手にしたのは
じっちゃんから貰った刀だった
「昨日思ったけど、物騒なもの持ってんな」
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ゆき - いや当然ですよ！…スィ−ン一！ (2019年5月10日 19時) (
レス) id: cbcf733df5 (このIDを非表示/違反報告)
まな★★(プロフ) - ゆきさん» そういって頂き、感激です！ (2019年5月8日 6時) (レス) id: 7988c73045 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - スマナイ、カミサクヒンダ、スマナイ！ (2019年5月7日 17時) (レス) id: cbcf733df5 (このIDを非表示/違反報告)
まな★★(プロフ) - ゆきさん» うーなんとも言えないです……ネタバレになっちゃうので、すまないw (2019年5月4日 18時) (レス) id: f47f4a70d0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - エ、エリちゃんが… (2019年5月4日 8時) (レス) id: cbcf733df5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まな★★ | 作成日時：2019年4月8日 12時
