第百十七話 ページ17
「決戦は近い
お互い後悔を残さず戦おう」
アーチャーはそういって目を伏せたあと
ランサーを連れて消えていった
ランサーはずっとこちらを睨んでいた
私に対してかと思ったが
セイバーにその視線を送っていた
その場に残された、私とセイバー
「……今まで騙していてすまなかった」
申し訳なさそうに彼はお辞儀をする
辛そうに謝るものだから、慰めたくて
ーーー私はそっと彼の手を握った
彼は驚いてこちらを見る
そんな彼の顔を見て私は笑った
『いいんだよ。セイバー、今まで何度も
私を助けてくれてありがとう』
「……っ」
彼は私の手を引いて抱き寄せた
突然の事で固まる
「私は……貴方が好きだ」
『……え？』
私を、好き？
「こんなこと、許されない……許されないのに」
今にも泣きたそうな声のセイバー
ーーそっか、私のせいで貴方を苦しませていたのか
"許されない"とセイバーは言う
その気持ちは痛いほどわかる
私はそれを良しとはしなかったけど
その気持ちは理解出来たから
だから、セイバーの痛みはよくわかる
でも"わかる"なんて簡単に言ってはいけない
それはその人だけの重みだから
『……ごめんね、セイバー
私は貴方に応えることは出来ないの』
「……ああ、わかっているとも」
『でも、その気持ちを抱くことは許されると思う
だって、気付いちゃったら
もう止められないでしょ……』
セイバーは私から体を離す
しばらく呆然としたあとクスリと笑って
「貴方にはいつも驚かされる」
いつものように笑ったのだ
それが嬉しくて私も笑う
ーーーどんなに胸が痛くなっても
この想いが捨てられなくても
それでも私はその人に出会えたことを
好きになったことを後悔したくない
……ふと彼の顔を思い出した
ああ、また叶わない願いを持ってしまった
なんて考え事をしていたら
セイバーは柴崎くんの姿に戻っていた
「……今日で最後だ
エスコートしてもいいだろうか？」
そっと手を差し伸べられる
私は彼に習って礼儀を返そうと思った
スカートの裾を左右掴んで、腰を少し下げる
『こちらこそ、よろしく』
スカートから手を離して彼の手をとる
ーーー最後の帰り道
セイバーはもう学校へ来ないのだろう
彼の言動を聞いてそう思った
『セイバーには何もお返しが出来てないな
沢山助けてもらったのに』
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ゆき - いや当然ですよ！…スィ−ン一！ (2019年5月10日 19時) (
レス) id: cbcf733df5 (このIDを非表示/違反報告)
まな★★(プロフ) - ゆきさん» そういって頂き、感激です！ (2019年5月8日 6時) (レス) id: 7988c73045 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - スマナイ、カミサクヒンダ、スマナイ！ (2019年5月7日 17時) (レス) id: cbcf733df5 (このIDを非表示/違反報告)
まな★★(プロフ) - ゆきさん» うーなんとも言えないです……ネタバレになっちゃうので、すまないw (2019年5月4日 18時) (レス) id: f47f4a70d0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - エ、エリちゃんが… (2019年5月4日 8時) (レス) id: cbcf733df5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まな★★ | 作成日時：2019年4月8日 12時
