葛藤(山崎すすむ) 2 ページ6
彼女と過ごした夜、俺は副長室に向かっていた。
「副長、山崎です。」
入れと言われ、入室すると、副長は机に向かって書類を書いていらした。
「件の甘味処のことですが、そこの旦那が長州の者と関わりがあるのは間違いありません。」
「...そうか。ご苦労だったな。監察を続けてくれ。」
御意。そう答えると、副長は、
「お前、あの甘味処の娘とは...」
「...何もありません。情報の収集に彼女は役に立ってくれています。」
副長は再び、そうかと言い、少し何か言いたそうにされたが、下がっていいと言われた。
副長室を後にする。
外の空気は少し寒く、星が美しくみえた。
彼女が自分に少なからず好意を寄せてくれているのは分かっていた。彼女の気持ちを利用しているというのも。
だが、これは隊務なのだ。
心苦しいが、彼女の気持ちも、もちろん自分の気持ちも優先されない。
庭の紅葉が揺れている。紅く染まったばかりの葉。彼女が紅葉を見に行きたいと言っていた。はにかみながら。
俺はいつまでこんなことを続けるのだろうか。いつまで彼女を騙し続けなければいけないのだろうか。
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雛月のえる(プロフ) - 可愛い恋だね!リリーラテさん文才ありすぎです!神以上です! (2015年3月1日 22時) (レス) id: fc66cd23d2 (このIDを非表示/違反報告)
雛月のえる(プロフ) - リリーラテさん» わかりました!楽しみに待ってます!リク、今回も受けていただき誠に感謝します! (2015年2月26日 23時) (レス) id: b493613181 (このIDを非表示/違反報告)
リリーラテ(プロフ) - 雛月のえるさん» ありがとうございます!土方さんの現代で書きたい題材があるのでそれを書かせていただきますね!m(_ _)m (2015年2月26日 23時) (レス) id: 08492bea53 (このIDを非表示/違反報告)
雛月のえる(プロフ) - あの、久々にリク良いですか?土方さんか薫 書きやすい方で良いのでお願いしても良いでしょうか?もちろん、貴女の都合もあるので、ゆっくりで良いですから! (2015年2月26日 20時) (レス) id: b493613181 (このIDを非表示/違反報告)
月華 - 楽しみに待ってます!! (2015年2月23日 16時) (レス) id: a4dc49a7cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リリーラテ | 作成日時:2015年1月17日 21時