夏風(土方歳三) 2 ページ36
漸くすると海が見えた。白いガードレールの向こうには青い空、青い海。
「あぁぁぁ!先生の馬鹿野郎!たぬき!!」
「うっせぇ!!」
鬱憤を晴らしてやろうと思って叫んだら、怒られた。バイクの音でそんなに聞こえないでしょうに。
数十分後、突然トシが車も人も通らないところにバイクをとめた。どうやら、砂浜におりたいようだ。
「綺麗っ!トシ、泳ごうか!」
先に走っていって振り返ると、
「馬鹿野郎、服濡れるだろうが。」
と言われた。口調は相変わらず荒いが目は優しい。心臓がドクンと波打つ。
「へ、平気平気!乾かせばって...うわっ!」
はい、お決まりの。
バッシャーン。
後ろ向きで歩いてたら、砂の山に足をとられて、そのまま海の中へ。
「アホかっ!お前いくつだよ!少しは気をつけやがれっ!...っ?!」
駆け寄ってきたトシの手を借りて起き上がる。うわ、びちょびちょ。白いTシャツは身体に張り付いて気持ち悪いし、下の短パンもヤバイ。ここ、人いないし...
「おまっ、何脱ごうとしてんだよ!!馬鹿か!!」
馬鹿馬鹿言わないでよ。
「だって気持ち悪いし、人いないしいいじゃん。」
「俺がいるだろうが!」
「トシは平気。」
トシが私を女の子扱いしてないのは分かってんだから平気だし。てか、逆に恥ずかしがる方がおかしくない?
バサッ。目の前が暗くなる。...トシの羽織っていたシャツ。これ脱いでもTシャツ着てるから別にトシは困らないんだろうけど...。
「もう帰るでしょ?このままでもいいや。」
そう言って返そうとしたら、無理やり着せられる。ちょっ、トシのシャツ濡れるよ!って言ったら、微かに顔を赤くしてそっぽを向かれた。何、その反応新鮮。初めて見たかも。
「下着透けてんだよ!大人しく着とけ!」
女の子の下着なんて見慣れてるだろうに変なのと思ったが、珍しいトシ見れたし、よく分かんないけど有り難く借りることにした。
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雛月のえる(プロフ) - 可愛い恋だね!リリーラテさん文才ありすぎです!神以上です! (2015年3月1日 22時) (レス) id: fc66cd23d2 (このIDを非表示/違反報告)
雛月のえる(プロフ) - リリーラテさん» わかりました!楽しみに待ってます!リク、今回も受けていただき誠に感謝します! (2015年2月26日 23時) (レス) id: b493613181 (このIDを非表示/違反報告)
リリーラテ(プロフ) - 雛月のえるさん» ありがとうございます!土方さんの現代で書きたい題材があるのでそれを書かせていただきますね!m(_ _)m (2015年2月26日 23時) (レス) id: 08492bea53 (このIDを非表示/違反報告)
雛月のえる(プロフ) - あの、久々にリク良いですか?土方さんか薫 書きやすい方で良いのでお願いしても良いでしょうか?もちろん、貴女の都合もあるので、ゆっくりで良いですから! (2015年2月26日 20時) (レス) id: b493613181 (このIDを非表示/違反報告)
月華 - 楽しみに待ってます!! (2015年2月23日 16時) (レス) id: a4dc49a7cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リリーラテ | 作成日時:2015年1月17日 21時