Happy Valentine!!(藤堂平助) 3 ページ25
14日。
教室に入って驚いた。平助がおかしい。平助がおかしいのはいつものことで全く珍しいことはないんだけど、とにかくおかしい。一言でいえば元気がないのだ。バレンタイン楽しみにしてたんじゃないの?平助の側にいた原田くんと目が合い、平助どうしたの?と目配せしてみると、苦笑いされた。
昼休みになり、クラスの人に配って回る。小鈴ちゃんは隣のクラスの伊吹くんのところへいき、千も風間先輩のところへ、千鶴も他のクラスの剣道部部員のところへ行ってしまったので暇だ。
「平助どうしたの?チョコ結構貰ってたのに元気ないね。」
いつもならここで何個もらったかの中間報告を三馬鹿でわいわいやってるところなのに。
「まさか本命の子に貰えなかったとか?」
ちげーし!とかいう返事を期待して冗談でいったのに、
「...」
平助は無言で、原田くんと、永倉くんがあっちゃーという顔をしている。え、まじ。まじなの?!
「平助ちょっと来て!」
こうしてはいられない。あ、おいっとかいってる平助を無視して人通りの少ない階段に連れていく。
「平助好きな子いたの?」
俯いてる。幼なじみの私に言ってくれないとか寂しすぎるんだけど。何年一緒にいたと思ってるの?なんでも打ち明けられる関係だと思ってたのにショックだ。ショック...だ...。
...あぁ、そうか。平助が打ち明けてくれなかったから悲しいんじゃなくて、平助に好きな子がいるから悲しいんだ。...もう私に出来ることは背中を押して上げることだけ...だよね...?私は遅すぎた...。
「平助!好きな子がいるなら行かなきゃ!待ってないで、自分で行かなきゃ!」
唇を噛み締めている平助。ずっと下を向いている。...平助の馬鹿。
「平助の...馬鹿。私が好きな平助はこんな平助じゃない。どんなに無謀なことにだって全力でぶつかっていく救いようもない馬鹿、それが私の好きな平助なのに...。」
弾かれたように彼が顔をあげる。
「お前、今...」
「ほら、これチョコレートケーキ。本命でも義理でも都合のいいようにとって。私のことはいいから行ってきなってよ。」
てか、早く行って欲しい。視界がぼやけ始めた。平助の前でだけは泣きたくない。平助はまだ固まってる。空気読めって!私はこんな顔で教室戻れないんだから。
Happy Valentine!!(藤堂平助) 4→←Happy Valentine!!(藤堂平助) 2
60人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雛月のえる(プロフ) - 可愛い恋だね!リリーラテさん文才ありすぎです!神以上です! (2015年3月1日 22時) (レス) id: fc66cd23d2 (このIDを非表示/違反報告)
雛月のえる(プロフ) - リリーラテさん» わかりました!楽しみに待ってます!リク、今回も受けていただき誠に感謝します! (2015年2月26日 23時) (レス) id: b493613181 (このIDを非表示/違反報告)
リリーラテ(プロフ) - 雛月のえるさん» ありがとうございます!土方さんの現代で書きたい題材があるのでそれを書かせていただきますね!m(_ _)m (2015年2月26日 23時) (レス) id: 08492bea53 (このIDを非表示/違反報告)
雛月のえる(プロフ) - あの、久々にリク良いですか?土方さんか薫 書きやすい方で良いのでお願いしても良いでしょうか?もちろん、貴女の都合もあるので、ゆっくりで良いですから! (2015年2月26日 20時) (レス) id: b493613181 (このIDを非表示/違反報告)
月華 - 楽しみに待ってます!! (2015年2月23日 16時) (レス) id: a4dc49a7cd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:リリーラテ | 作成日時:2015年1月17日 21時