夕顔(土方歳三) 3 ページ16
「私自分で帰れます!」
「お前が昨日一人で帰っていくのを見たんだが、危なっかしくて見てられねぇんだよ!大人しく送られてろ!」
「っ!?ストーカーですか!てか、おろしてください!人さらい!」
人さらいとはご挨拶だなといいながらも、土方はエンジンをかける。
土方が止まるわけ無いと思い、諦めて大人しくなったA。ふと隣を見ると...。...運転している先生。かっこいい...。逞しい腕が、巻くったカッターシャツからのぞき、どこかのブランド物だろう高そうな腕時計がまたかっこいい。
「おい、そんな見んな。てかガン飛ばしてくんなよ。」
どうやら土方は勘違いしているらしい。見蕩れてただけだったのだが。...でも勘違いしてくれてる方がいい。先生に好きだって思ってるなんて知られたときには、死んでしまいたくなるに違いないから。身の程知らずだって思われるに決まってる...。
送ってもらい一応というようにそっけなくお礼を言うと、土方はついでだから親御さんに挨拶してかえると言い出す。
「両親は今海外行ってていません。」
話を聞くところ週に一回お手伝いさんが来るだけで後は一人だという。こんな広い家で。だから言ったでしょ、放任主義なんだって。と、こともなく言う雅に決めたとつぶやく土方。そのままアクセルを踏む。
「え、ちょ、どこに行くんですか?!」
「俺の家だ。親御さんが帰ってくるまで面倒みてやる。」
...は?いや、それっていろいろまずいんじゃないの?
「やだ!降ろしてください!本格的に人さらいじゃないですか!」
うるせぇ、黙ってろ!一蹴される。
土方とAの良く分からない同居生活がスタートした。
「...先生ってなんでも出来るんだと思っていました。」
その日の晩、目の前に並べられた料理にAはそう独りごつように言う。
「...文句があるならはっきりいいやがれ。」
いえ、いただきます。っぐっ...。無言の空間。
「いや、食わなくていい。コンビニで弁当買ってくるから待ってろ。」
一瞬で青くなったAを見て、土方は慌てて立ち上がる。最後に料理をしたのはいつだったか...そう思いながら世にも奇妙な色のあぶくをあげているお手製の料理を見やる。
60人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雛月のえる(プロフ) - 可愛い恋だね!リリーラテさん文才ありすぎです!神以上です! (2015年3月1日 22時) (レス) id: fc66cd23d2 (このIDを非表示/違反報告)
雛月のえる(プロフ) - リリーラテさん» わかりました!楽しみに待ってます!リク、今回も受けていただき誠に感謝します! (2015年2月26日 23時) (レス) id: b493613181 (このIDを非表示/違反報告)
リリーラテ(プロフ) - 雛月のえるさん» ありがとうございます!土方さんの現代で書きたい題材があるのでそれを書かせていただきますね!m(_ _)m (2015年2月26日 23時) (レス) id: 08492bea53 (このIDを非表示/違反報告)
雛月のえる(プロフ) - あの、久々にリク良いですか?土方さんか薫 書きやすい方で良いのでお願いしても良いでしょうか?もちろん、貴女の都合もあるので、ゆっくりで良いですから! (2015年2月26日 20時) (レス) id: b493613181 (このIDを非表示/違反報告)
月華 - 楽しみに待ってます!! (2015年2月23日 16時) (レス) id: a4dc49a7cd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:リリーラテ | 作成日時:2015年1月17日 21時