桜花の如く(土方歳三) 4 ページ12
翌日。土方が一人で他の部隊のところに向かっているとの情報が入った。そして、それを襲撃するためうちの部隊から何人かが土方を追っていると。すぐさま、巴に乗り走らせる。彼の首を取ることが許されるのは私だけだ。私...だけ...。
銃声が響く。その方に視線を向ける。っ...馬が嘶き、土方が落馬するのが目に入る。土方...土方!!
「土方を撃ち取った!!」
うちの部隊のやつか。
「ご苦労だったな。後は私に任せろ。お前らは土方を撃ち取ったと報告に行け。」
冷静を装い、彼らに言うと彼らは宜しくお願いします、と言い、喜び勇んで走っていった。
「っ、土方!」
「なん...だよ...お前かよ...」
そう言い笑う彼。仲間なら助かったかもしねぇのによと言いながらも、
「なんで、笑ってんの!」
なんで...痛いはずなのに、苦しいはずのに。なんで笑ってられるの?
「なんで...って...惚れ...た女の腕で...死...んでいける...んだ...こんな幸せ...なことはねぇよ...」
...!死ぬな、死ぬな!!
「簡単に死なないんじゃなかったの?!やだ...死なないでよ!」
土方!!神様土方を助けて。私の命でいいならあげるから。だからお願い...
数日後、五稜郭が開城した。榎本武揚らは投獄。
「A...俺も東京へ行く。」
「嫌だ。離れたくない。」
やっと床から起きれるようになった彼の腰に抱きつく。あの後瀕死の状態にあった彼を必死で介抱した。神様は願いを聞きとげてくれた。私の命はとる価値もないらしく、私もピンピンしてる。
「...榎本さんや、大鳥さんが投獄されたってのに、俺だけ幸せになるわけにはいかない。」
「嫌だ。土方は死んだことになってるんだから!...死ぬかもしれないんだよ...行かせられない。」
無言になってしまった。諦めてくれるかな...と思っていたのに...。
食料調達から帰ってきたら、そこに土方の姿はなく、置き手紙が。
『このままお前と暮らす訳にはいかない。榎本さん達や、死んでいったやつらにも申し訳がたたない。蝦夷地の冬は厳しい。お前も本州に帰ってくるように。親御さんに顔を見せてやれ。もしものことがあれば、他の男に嫁げ。 土方』
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雛月のえる(プロフ) - 可愛い恋だね!リリーラテさん文才ありすぎです!神以上です! (2015年3月1日 22時) (レス) id: fc66cd23d2 (このIDを非表示/違反報告)
雛月のえる(プロフ) - リリーラテさん» わかりました!楽しみに待ってます!リク、今回も受けていただき誠に感謝します! (2015年2月26日 23時) (レス) id: b493613181 (このIDを非表示/違反報告)
リリーラテ(プロフ) - 雛月のえるさん» ありがとうございます!土方さんの現代で書きたい題材があるのでそれを書かせていただきますね!m(_ _)m (2015年2月26日 23時) (レス) id: 08492bea53 (このIDを非表示/違反報告)
雛月のえる(プロフ) - あの、久々にリク良いですか?土方さんか薫 書きやすい方で良いのでお願いしても良いでしょうか?もちろん、貴女の都合もあるので、ゆっくりで良いですから! (2015年2月26日 20時) (レス) id: b493613181 (このIDを非表示/違反報告)
月華 - 楽しみに待ってます!! (2015年2月23日 16時) (レス) id: a4dc49a7cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リリーラテ | 作成日時:2015年1月17日 21時