今日をかぎりの命ともがな(土方歳三) 1 ページ1
夜桜さん、リクエスト頂いていた土方さんの幕末出来上がりました！土方さんが微妙にキャラ崩壊気味かもしれません。それでは...
ぼんやりと照らす灯りを手に、夜道を行く男がひとり。空には彼の好きな春の月がぽっかりと穴が空いたかのように浮かんでいた。普段ならここで一句というところだが、気持ち此処にあらずの彼はひたすら足を進める。
仕事というわけではない。男が行く先には華やか紅が目をひく...そう花街。
「土方はんお待ちしとりました。どうぞこちらへ。」
若い女が土方を座敷に案内する。料理がのせられたお膳が運ばれてきて、暫くすると再びふすまが開いた。現れたのは天女と見まごうばかりの美しい女。
「土方はん、おばんどすえ。」
艶やかな唇から溢れる鈴を転がしたような声、美しい所作...
「A、そういう挨拶はいいっていったろ。早く来いよ。」
Aと呼ばれた花魁はそんな土方の様子をも楽しんでいるかのように笑う。
彼女の源氏名は夕霧。だが土方は二人のときはAと呼ぶ。二人は恋仲だ。
土方は酒が飲めないのにAに会うためだけに島原へ来る。そのような様子はおくびにもださないがせっせと恋人に会いに来る土方の普段との差にAは可愛らしく思ってしまうのだった。
悪戯心が頭をもたげ、Aは銚子をとり酒を注ぎながら尋ねる。
「土方はん、最近よう来はりますけど、仕事の方は大丈夫なんやろか。」
「...問題ねぇよ。」
盃をあおる。
問題ありまくりなのだが。
朝から晩まで仕事、それからAに会いに来て、門限の刻限に帰っていき、一刻(２時間)ほど眠る。そんな生活の繰り返しだ。
斎藤には休んでくださいと心配させちまうし、他の奴はからかってくるし...。
だが来るのを辞められない。綺麗な花には毒がある。まさにその通りだと土方はAを見つめ思う。
こんなにも惹き付けやまない女は初めてだった。色恋に溺れるなど馬鹿がすることだと思っていたのに、その馬鹿に自分がなり下がるとは...。
彼女はそんな土方の心中を知ってか知らでか魅惑的な笑顔を見せる。悶え狂いたいのを必死で押さえつける土方なのであった。
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雛月のえる(プロフ) - 可愛い恋だね！リリーラテさん文才ありすぎです！神以上です！ (2015年3月1日 22時) (
レス) id: fc66cd23d2 (このIDを非表示/違反報告)
雛月のえる(プロフ) - リリーラテさん» わかりました!楽しみに待ってます!リク、今回も受けていただき誠に感謝します! (2015年2月26日 23時) (レス) id: b493613181 (このIDを非表示/違反報告)
リリーラテ(プロフ) - 雛月のえるさん» ありがとうございます！土方さんの現代で書きたい題材があるのでそれを書かせていただきますね！m(_ _)m (2015年2月26日 23時) (レス) id: 08492bea53 (このIDを非表示/違反報告)
雛月のえる(プロフ) - あの、久々にリク良いですか?土方さんか薫 書きやすい方で良いのでお願いしても良いでしょうか?もちろん、貴女の都合もあるので、ゆっくりで良いですから! (2015年2月26日 20時) (レス) id: b493613181 (このIDを非表示/違反報告)
月華 - 楽しみに待ってます!! (2015年2月23日 16時) (レス) id: a4dc49a7cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リリーラテ | 作成日時：2015年1月17日 21時
