不器用な二人(斎藤一) 3 ページ49
「Aも着てみろよ!」
...それにしても皆楽しそうなこと...で。...なんで皆こっち見てんの?
「なに?」
彼らの視線が鬱陶しい。面倒くさいことを企んでいるに違いない。
「Aも女物の着物着せてもらってみろよ!」
新八酔ってるな。無視だ、無視、無視。
「さては、似合わねぇから渋ってんだな!」
勝手にそう思っとけ。...事実ではあるしな。
「新八、分かってねぇな!Aは綺麗な顔立ちしてるし、晒し巻いてて分かりにくいが結構いい身体して...っごほ」
口に魚を突っ込んでやる。千鶴ちゃんの前で下世話な話すんな!
「Aちゃん、女物の着物着てみてよ。ね、はじめくんも見たいでしょ?」
っ。斎藤を見る。かなり酔ってるみたいだ。顔が赤くなっている。
別に見ても仕方ないとか言われる。
...何よ、別に期待なんてしてないし。
あぁーっ!もう!馬鹿!馬鹿!斎藤のばーかっ!
「君菊さん、着せてください!めちゃくちゃ綺麗にしてください!」
見返してやる!...化粧したら少しはマシになるだろう...たぶん。
千鶴ちゃんが先に着せてもらい、皆のいる隣の座敷に戻る。皆が口々に褒めているのが聞こえてくる。...斎藤も千鶴ちゃんに見蕩れてるのかな...。可愛かったもんな。素がいいからなんでも似合う。
紅をさしてもらって出来上がり。
「Aはん、よう似合ってはりますなぁ。」
それから耳元で、
「斎藤はんも、きっと気に入ってくだはります。」
なっ?!顔が熱を持ち始める。
それを見て君菊さんはくすくすと笑ってる。っ...恥ずかしい。誰も私が斎藤を好きなことは知らないのに、流石君菊さんだ。
隣の座敷へ戻る。
「...。」
...無言やめてください。笑うなら笑ってください。最初に口を開いたのは左之。
「やっぱ似合ってんな!」
「うん、可愛いよ、Aちゃん。ほらこっちおいでよ。」
と、総司。
「えぇぇぇ!Aなのか?!めちゃ綺麗じゃん!」
平助、五月蝿い。
皆から口々に褒めてもらい、新八にも謝ってもらって、気恥しい。だが、斎藤は。何も言わないし、こっちを見ようともしない。...ねぇ...何も言ってくれなくていいから...こっちを見て...。千鶴ちゃんしか目に入らない?
胸が苦しい。
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雛月のえる(プロフ) - いえいえw書いて貰うのに急かすのは性に合いませんのでw先に斎藤ようこちゃんさんのリクを優先しても構いませんので!!更新頑張れー (2015年1月13日 15時) (レス) id: b493613181 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - 私の方こそありがとうございます〜。いつも楽しみです。♪ (2015年1月13日 8時) (携帯から) (レス) id: 29bc6add98 (このIDを非表示/違反報告)
リリーラテ(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» そう言って頂けて嬉しいです!コメントいつもありがとうございます♪ (2015年1月13日 8時) (レス) id: 08492bea53 (このIDを非表示/違反報告)
リリーラテ(プロフ) - 雛月のえるさん» ありがとうございます!どのくらいお時間いただくことになるか分かりませんが、よろしくお願いします!m(_ _)m (2015年1月13日 8時) (レス) id: 08492bea53 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - 斎藤さん最高です。 (2015年1月13日 8時) (携帯から) (レス) id: 29bc6add98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リリーラテ | 作成日時:2014年10月9日 19時