ガラクタ文庫 -薄桜鬼短編集- ２

今幸せだから。(原田左之助) 1 ページ31

月永さん長らくお待たせしました！リクエストありがとうございます。こんな感じでいかがでしょうか...？気に入らなかったらまた言ってください(＞＜)!!それでは...


「んじゃ、行ってくる。」


慶応４年。


私は左之と２人でひっそりと暮らしている。


ここでは言えないがある理由で追われる身であった私は潜んで生活していたところ、戦いで銃弾をうけ、瀕死状態だった彼を見つけ介抱したのだ。


一命を取りとめ回復した彼は左之助と名乗り、そのまま私とともに暮らしている。


私は左之が左之助と言う名前だということしか知らない。


彼は自分の素性を明かさなかったからだ。


でもそれは自分も同じことなのでお互い様。


彼が倒れていた場所、そのあたりであった戦いから考えておそらく旧幕府軍の人だろうと私はふんでいる。


まぁ、誰であろうと私は彼の人柄が気に入っているからここで暮らす分には構わない。


彼は畑仕事や、水汲みとよく働いてくれるし。


今も水汲みに行ってくれたところだ。


女には重いものは持たせられないといって。


とりあえず彼が帰って来る前に朝餉の準備でもしておこう。


人参、大根、葱...ときっていく。


私は今まで一人で生きてきた。


寂しいなどという気持ちなどはもう忘れていた。


だけど彼が来てから毎日が色づいたように思う。


彼はいつか出ていくのだからこんな生活になれすぎると後々辛い思いをするようになるんだろうな...私も弱くなったもんだ。


「お、いい匂いがするな...」


戸口のところで汲んできた水を置きながら彼が言う。


「お帰り。味噌汁もできたから座ってて。」


お椀を手に声をかける。


ん？


左之が背後に立って、そこから味噌汁の鍋をのぞき込んでくる。


...顔が近いのだが。


「美味そうだな。茶碗はあるか？飯は俺がつぐ。」


...男なのにさも当たり前のように家事もやってのける...この御時世なかなか珍しいやつだ。

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