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始まり(原田左之助) 4 ページ14

お昼は水族館のレストランで食べ、また見て回っているうちに日が暮れて...。


帰りたくないな...なんて思ってたら、そんな私の思いを汲み取ってくれたのか原田くんは、どこか寄るか?と聞いてくれた。


近くの公園に寄る。


流石にこの季節のこの時間に公園にいる人は居なくて、ホットココアの缶を手にふたりベンチに腰掛ける。


うっ、寒いな...くしゅん。


「ほら、今だけでもこれ巻いとけ。可愛いネックレスだが、マフラーしてねぇと寒いだろ?」


気づいてたんだ。こんな寒い日にマフラーしないなんて馬鹿だとは思ってたんだけど、お気に入りのネックレスつけてるの見てもらいたくて我慢してたんだ。


きっと原田くんはそんな私の気持ちもお見通しで、朝絡まったネックレスを解いてくれてるとき、マフラーしろとは言わなかったんだ。


本当に気遣いができる。こんな人独り占めしてたら罰バチがあたりそう。


「何考えてんだ?」


原田くんがのぞきこんでくる。


「うんん、何でもないよ。今日は楽しかった!ありがと。」


「ああ。俺も楽しかった。そうだ、これ。」


小さな包み。ん?なんだろ?顔を見ると、開けてみろというように促された。


「あ、可愛い!」


ピンクのイルカのキーホルダー。


それを見つめていると、シャラっと音がして私の目の前にもう一つ青いイルカのキーホルダーが揺れた。


「こーゆーの普段しねぇんだが、お前とお揃いにしたくてな。つけてくれるか?」


顔が熱を持ち始める。


「う、うん。ありがとう!嬉しい...」


スマホにつけてみる。原田くんもスマホを取り出してつけてる。


ピンクと青のイルカのイルカを並べてみて嬉しくなって笑いかけると、原田くんも笑いかえしてくれた。


風が吹き、キーホルダーが揺れる。


あっ。


二つのイルカがキスをするように重なった。


「...A。」


名前を呼ばれて顔を上げる。


あっ。


再び吹いた風に促されるようにして重なった唇。


...あたたかい貴方とあたたかい時間。こんな日々がずっと続くといいな。

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雛月のえる(プロフ) - いえいえw書いて貰うのに急かすのは性に合いませんのでw先に斎藤ようこちゃんさんのリクを優先しても構いませんので!!更新頑張れー (2015年1月13日 15時) (レス) id: b493613181 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - 私の方こそありがとうございます〜。いつも楽しみです。♪ (2015年1月13日 8時) (携帯から) (レス) id: 29bc6add98 (このIDを非表示/違反報告)
リリーラテ(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» そう言って頂けて嬉しいです!コメントいつもありがとうございます♪ (2015年1月13日 8時) (レス) id: 08492bea53 (このIDを非表示/違反報告)
リリーラテ(プロフ) - 雛月のえるさん» ありがとうございます!どのくらいお時間いただくことになるか分かりませんが、よろしくお願いします!m(_ _)m (2015年1月13日 8時) (レス) id: 08492bea53 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - 斎藤さん最高です。 (2015年1月13日 8時) (携帯から) (レス) id: 29bc6add98 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リリーラテ | 作成日時:2014年10月9日 19時

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