君の傍で感じる風 ３

１０４ ページ6

そして月日は流れ…ついに迎えた体育祭。


明日が文化祭だ。


あれからつつがなく…と言いたいところだが、そういう事もなく何とか準備を間に合わせ(斎藤先輩の劇は微妙だが)今日に至る。


まぁうちの部は運動神経抜群な連中が揃っているからアクシデントが起こらねば今日の体育祭は問題ないだろう。


只今の競技は２年男子による棒状は旗奪い。



「Aちゃん、僕が旗とってくるからちゃんと見ててね！」



爽やかスマイルの沖田先輩に周りからキャーーッ！！という女子の声があがる。


へいへい。


呆れていると、



「な、何？！A、俺がとってくる故俺を見ていてくれ！」



と斎藤先輩まで。


キャーーッ！！だから五月蝿いって。


てか、先輩方仲間同士ですからね？


そこで競いあわないでくださいよ！って言ったけど聞いてんだか聞いていないんだが…聞いていないね。


私が悪うございましたっ！


合図とともに雄叫びをあげ走り出し、砂塵が舞う。


ああっ！斎藤先輩頑張ってるけど、やっぱ普通の男子の中では小柄な方なため揉みくちゃにされてて、苦しそうに顔を歪めてる。



「斎藤くーん！頑張ってー！」



周りの女の子が叫んでる。


わ、私も負けてはいられぬ！！



「斎藤先輩っ！頑張ってください！！」



届けっ！！…え…？


一瞬斎藤先輩の髪の色素が抜け真っ白に、蒼い瞳が真っ赤になったように見えた…ん、気のせいか…？今は普通…だよね？


だがどうした！！この変わりよう！！


周りからまた黄色い歓声があがる。


一気に抜け出し、斎藤先輩の口が少し動いたあと、平助くんの肩によじ登り旗をっ…？！

１０５→←１０３

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す