第十話 〜生意気〜 ページ10
「お飲み物をお持ち致しました」
「遅い！何やってたんだよもう」
「まあまあ落ち着いて？
折角持ってきてくれたんだから。一緒に飲もう、昴くん」
「…っAねーちゃんがそう言うなら」
渋々といった様子でトレイの上のカップを手に取る。
すると怪訝な顔から一転、嫌そうな顔に変わる。
「うげっ！…これってもしかして珈琲？」
「あれ？昴くん、珈琲苦くて飲めない？まだ子供だもんね、無理しなくても__」
「のっ飲めるよ！？
僕もう子供じゃないし！10歳だもん！」
「ほんと？珈琲が飲めるなんて、昴くんは大人でかっこいいね」
「うっ……の、飲まなきゃ…かっこいいって思われる為に飲まなきゃ…」
目の前の昴様はブツブツと呟いて珈琲と睨めっこをしている。
予想通りの展開だ。A様の後押しもあるし、プライドも高い。これで飲まない訳はないだろう。
「えいっ！
……んんっ!?んんんんん!!んーんー!!
っぷはっ！…げほっげほっ……」
涙目になって、憎らしそうにこちらを睨む。
苦くて当然だ。子供にとって、ただの珈琲でさえも苦味を感じるのに、その上ミルク無しの無糖。完全なブラック珈琲だからね。
私はしてやったように思い、睨みに対してひとつ嘲笑を返してやった。
「〜〜っアイツ!!」
「どうしたの？昴くん。
…やっぱり苦かったかな？ごめんね」
「い、いやっ何でもないよ！Aねーちゃんが謝る必要なんて無いし！」
どうやら相当無理をしている様子だ。
(ふふふ。私をバカにするからこうなるのだよ…！)
「………。
ねぇ、Aねーちゃん！僕、今日ここに泊まってもいい？」
「……は？」
今、何と言っただろうか。
「え？でも明日は大事なパーティが…」
「僕は大人しくしておくから！ね？お願い！」
「んー仕方ないなぁ。一泊だけだよ？」
「やったぁ！ありがとうAねーちゃん、だーい好き！」
「わっ！…もう、いきなり抱き着くなんて、昴くんは甘えん坊ね」
A様に抱き着いたまま、彼女の肩から顔を出した。
彼女から見えないのをいい事に、私の顔を見て、どうだと言わんばかりに鼻を鳴らし、ニヤリと、バカにしたような。勝ち誇ったような。或いはその二つの意味を込めた笑いを浮かべた。
私はその笑顔とは違い、怒り混じりに笑ってこう言った。
「……この、生意気なクソガキ」
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太宰愛華(プロフ) - 凄く面白いです!!何だか太宰さんが可愛くみえます。 (2017年4月7日 13時) (
レス) id: 003b9a1db1 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - 海月さん» フラグの方、外し忘れをしておりました。ご指摘頂きありがとうございますm(_ _)m (2017年1月5日 16時) (レス) id: 718f02a46e (このIDを非表示/違反報告)
海月(プロフ) - こんにちは。「オリジナルフラグ」が外れていませんよ。違反行為ですので、速やかに外してください。 (2017年1月5日 16時) (レス) id: f08cf5272d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リリィ | 作成日時：2017年1月4日 14時
