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彼女と初めて会ったのは本部のロビーでだった。会ったと言っても通り過ぎに顔を見ただけ。それだけの関係で、彼女の未来が視えても態々注意を払って見ておく関係ではない。なのだが、彼女だけはどうしてもそう出来なかった。何故か。彼女には未来の分岐点も選択肢も無い。絶望へと進む一本道だ。

あぁ、そういえば鳩原ちゃんもそうだった。


そう思って迅は悲しげに笑う。姉妹揃ってどうしてこうなのか。彼女の姉は気弱に見えて意思は強かったのだと思う。深い関わりが無いから分からないが、近界へ密航するくらいだ。だから、鳩原未来はボーダーから立ち去る事はもう免れないと分かっていた。鳩原は馬鹿な女ではないから、その後の事も分かっていただろう。そして、妹がボーダーに入って来るだろうというのも分かっていたのかもしれない。だから、彼女は姿を消す数日前に「あたしの妹が入隊してくる未来が視えますか」なんて尋ねてきたのだろう。


「他にも席空いてんじゃん。」


ヘッドフォンを外して、不満を全面に出したAが向かいに座った迅に眉を顰める。「仲良く食事を共にする仲でもないよね?」なんてつれない言葉を向けるAに迅は苦笑いを浮かべた。


「この後特に予定あるでもないんだし良いでしょ?」


自分はまだ迅悠一という男をちゃんと知らない。何でそこまで仲良くもない相手に態々本部に来て一緒にお昼を共にするのか。そんなの、迅が未来を視たからなのだが。


「今日はちょっと未来の話をしようと思って。」


当然だが、自分の未来がどうなってるのかなんて知らない。


「俺はね、Aを助けてあげたいの。」


真面目な顔で言う迅に間抜けな声が出た。


「そんな義理も無いのに?」


そう返せど、そんな事関係無いよと聞こえて嫌になる。



__だって自分は、黒い感情が渦巻く中でボーダー(ここ)にいるのだから。

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はな(プロフ) - レモン味のかき氷さん» コメントありがとうございます!嬉しいお言葉…✨鳩原先輩関係の人主人公にした面白いんじゃね?っていうノリで作っちゃいました笑 原作でも謎多き、って感じなのでめちゃくちゃ捏造しまくると思いますが、これからも面白いと思っていただけるよう頑張ります! (2022年6月5日 18時) (レス) id: 906e49b810 (このIDを非表示/違反報告)
レモン味のかき氷(プロフ) - コメント失礼します!最初に、この作品の発想から凄いです!!同じ作者として、予想できない展開等あったので、時には楽しんだり、時には衝撃を受けました!リアルの方でお忙しいと思いますが…更新頑張ってください💪🔥 (2022年6月5日 16時) (レス) @page4 id: e6207c7e03 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はな | 作成日時:2022年6月4日 18時

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