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平日の昼間。当然ゲーセンは空いていた。チラホラと学生服を着た者も見受けられた。自分らと同じサボりだろう。


「カゲさん、今更だけどこれ荒船さん大丈夫?」


夏休みの課題を見ていた荒船が、休み明けに実施される実力テストに向けてしごいてやると意気込んでたのを思い出した。赤点常習犯の影浦はこんな所で遊んでる場合ではないのでは?


「あ?……はっ、くしゅ!……大丈夫だろ。」
「ねぇ、今の絶対大丈夫じゃない。そのくしゃみが物語ってる。」


そんなAの言葉を無視してスタスタと影浦はゲーセンの中を歩く。その黒い背中を眺めて息を吐いた。お菓子のクレーンゲームの前で立ち止まっては、しばらくしてからこっちに目を向ける。


「A、これ取れるか?」
「カゲさん案外クレーンゲーム下手なんだね。」
「ほっとけ!!」


百円玉を入れて狙いを定めアームを動かす。二三回動かして、お目当ての商品をゲット出来た。


「すげぇな。」
「どーも。」
「A、次これ。」
「お金はカゲさんが出してよ?」
「もう金ねぇ。」


何も悪びれる素振りなく答えたこの男に呆れた視線を向けたが、本人何処吹く風である。そうして何個かクレーンゲームをやって、他のゲームも楽しんだ。最も、楽しそうにしてるのは影浦だけだったが。


「たまにはゲーセンも悪かねぇな。」
「さいですか。自分は疲れた。」


どこかほくほく顔の影浦と中学生に有るまじき疲れた様子のA。二人の手にはクレーンゲームで勝ち取ったお菓子達が抱えられている。本日何度目かの溜息に影浦は「不満かよ」と尋ねる。恐らく感情が刺さったんだと思う。


「不満っていうか…カゲさんがここまでする義理ないんじゃないかなぁ、と思って。」
「ウチ抜けて何あったのか知らねぇが、色々余裕ねぇんだろ。死人みてぇな顔しやがって。ちったぁ元気出たかよ?」


死人みたいな顔は元からだと返してやろうかと思ったが、昨日の顔は確かに死人みたいだったかもしれないという自覚は多少なりともあるので飲み込んだ。でもさ、


「元気づけようとしてくれた割にはゲーセンのお金出したの自分だし、自分がカゲさんに付き合った様にもおもえるんですが、そこんとこ如何でしょう。」
「あー、途中から忘れてた。」
「帰ったら荒船さんに怒られる未来も視えるんですけど、そこんとこ如何でしょう。」
「それも考えてなかった。」
「最悪だよこの人。」

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はな(プロフ) - レモン味のかき氷さん» コメントありがとうございます!嬉しいお言葉…✨鳩原先輩関係の人主人公にした面白いんじゃね?っていうノリで作っちゃいました笑 原作でも謎多き、って感じなのでめちゃくちゃ捏造しまくると思いますが、これからも面白いと思っていただけるよう頑張ります! (2022年6月5日 18時) (レス) id: 906e49b810 (このIDを非表示/違反報告)
レモン味のかき氷(プロフ) - コメント失礼します!最初に、この作品の発想から凄いです!!同じ作者として、予想できない展開等あったので、時には楽しんだり、時には衝撃を受けました!リアルの方でお忙しいと思いますが…更新頑張ってください💪🔥 (2022年6月5日 16時) (レス) @page4 id: e6207c7e03 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はな | 作成日時:2022年6月4日 18時

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