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心底驚いた顔をしていた。辻も犬飼も、二宮も。トリオン体から生身に変わる。「何やってんだ!?馬鹿野郎!!」くらいの言葉を大声で叫べたら良かった。B級一位の体を躊躇いなく撃ち抜いた新入隊員は何食わぬ顔を浮かべていた。


「言葉だけで良かったのに。」


ヘラりと笑った犬飼に「だって口だけじゃ信じてくれそうになかったから」と返したAを二宮は眉間に小さな皺を寄せて見つめていた。その目は、どういう事だと問いただす様でもあった。「口ではどうとでも言えるでしょ」って言う少女は果たして本当にあの女の妹なのかと疑った。だって二宮の知る鳩原は作り笑いが顔に張り付いた冴えない女で、人の撃てない女で、そうやって鳩原未来を思い浮かべてつらつらと内心で並べる言葉をAは遮った。


「自分は未来じゃないよ。」


それはまるで二宮の心の内を読んだかの様だった。実際読んだ様、ではなくて聞こえているのだが。その事を知るのはもう少し先の話である。
そうして数秒、二宮の顔を見ていたAは「あ、」とだけ声を出す。それはあまりにも小さな声で、本人以外には聞こえていない様子だった。
Aは目の前の男に見覚えがあった。今、彼らの事を思い出した。寒い五月の日に、雨降るあの日に、姉のいなくなったあの日、家の前にいた人達だということを。姉と二宮らがどういう関係だったのかをAは知らない。鳩原未来は家でボーダーの話をしなかったから。唯一した話は「あたしのチームメイトは強くて優秀なんだ」と言っていた事だけ。それは純粋に彼らを自慢するような褒め言葉であったが、同時に少しの自責があった。


「後ろの人達も何か用事?」


二宮の用は終わっただろうと勝手に判断したAは影浦に視線を向ける。バサバサの髪を乱雑に掻いて影浦は「いや、」と口を開く。


「鳩原の妹がいるっつーから見に来ただけだ。」


影浦の想像していた人物像とはかけ離れていたが。貼り付けた笑みはないし、鳩原よりも物言いはハッキリとしている。「思ってたのと違ったんだ」と、またも心の内を読んだAに皺を寄せる。こいつも難儀なサイドエフェクトを持ったと少しだけ同情した。


「お前、入る隊決まってんのか?」
「いや、まだC級だし…」
「お前ならすぐにB級に上がって来るだろ。」


そう言いながら影浦は右手をポッケに戻し、溜息のような息を小さく吐いた。


「ねぇならウチに来い。」

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はな(プロフ) - レモン味のかき氷さん» コメントありがとうございます!嬉しいお言葉…✨鳩原先輩関係の人主人公にした面白いんじゃね?っていうノリで作っちゃいました笑 原作でも謎多き、って感じなのでめちゃくちゃ捏造しまくると思いますが、これからも面白いと思っていただけるよう頑張ります! (2022年6月5日 18時) (レス) id: 906e49b810 (このIDを非表示/違反報告)
レモン味のかき氷(プロフ) - コメント失礼します!最初に、この作品の発想から凄いです!!同じ作者として、予想できない展開等あったので、時には楽しんだり、時には衝撃を受けました!リアルの方でお忙しいと思いますが…更新頑張ってください💪🔥 (2022年6月5日 16時) (レス) @page4 id: e6207c7e03 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はな | 作成日時:2022年6月4日 18時

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