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影浦隊を抜けてから早いもので8月を迎えた。学校も夏休みに入ったので、平日の昼間といえど人は多くいた。


「手止まってんぞ。」


そんな事を言う目の前の男は胃もたれしそうな量をペロリと平らげる。6人座れるボックス席は最初はAだけだった。そこへぞろぞろとひとが集まって5人がここで昼食を取っている。


「ゾエさんあげるよ。」


すす、とトレーを動かして北添に押し付ける。あまり量の減ってないそれに、指摘した荒船は眉を顰めた。


「食細くなったな。」
「そう?」


首を傾げて水を飲む。それも途中でやめにした。影浦隊を抜けたのは皆知っているが、それについて誰も何も言ってこない。絵馬から心配する声が聞こえて来たが、ヘッドフォンをして知らぬふりを通していた。


「夏バテかも?」
「持たないぞ。しっかり食わないと。」
「…そだね。」


テーブルに伏して穂刈の言葉に適当に返した。夏バテ気味なのは本当の話だ。今年の夏は去年より暑いから。去年の暑さを覚えてる訳ではないが、天気予報士がそんな事を言ってた気がする。その暑さに少し参っただけだ。


「夏前からそうだっただろ。」


荒船の観察眼は鋭いから時に嫌になる。「そんな事ない」と受け流せば荒船はそれ以上追求してくる事はなかった。
荒船の言う通りAは前からそんな調子だったかもしれない。風邪のひき始めの様な気怠さがあった。我慢出来ない程ではないし、凄く気になる訳ではないから知らぬふりを通してズルズルとここまで来てしまった。


「寝てねぇだろ。」
「夏休みだから。」


影浦にAは伏したまま答える。隊を抜けても話す事はあるし、思ったより気まずさはなかった。それでも影浦以外の面子は何か言いたげにしているが、全て知らないふりをして、彼らも変に何か言ってくることはしない。
Aのウザそうな感情を受信したらしい影浦は話題を変えた。それを耳にして場所を変えようかと思ったけど動くのも怠くて結局そのままだ。


「本当に彼女が密航を考えていたことについて知らなかったのかい?」


幾度となくされたその質問はふとした瞬間に蘇る。返す返事は「知らない」の一つだと決まっていた。何度も言わせんなって胸倉を掴みたくなった。未来は隠し事が上手いらしかった。Aの前では何でも筒抜けであっても未来の企んでた事だけは知る事は出来なかった。

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はな(プロフ) - レモン味のかき氷さん» コメントありがとうございます!嬉しいお言葉…✨鳩原先輩関係の人主人公にした面白いんじゃね?っていうノリで作っちゃいました笑 原作でも謎多き、って感じなのでめちゃくちゃ捏造しまくると思いますが、これからも面白いと思っていただけるよう頑張ります! (2022年6月5日 18時) (レス) id: 906e49b810 (このIDを非表示/違反報告)
レモン味のかき氷(プロフ) - コメント失礼します!最初に、この作品の発想から凄いです!!同じ作者として、予想できない展開等あったので、時には楽しんだり、時には衝撃を受けました!リアルの方でお忙しいと思いますが…更新頑張ってください💪🔥 (2022年6月5日 16時) (レス) @page4 id: e6207c7e03 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はな | 作成日時:2022年6月4日 18時

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