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「鳩原の妹?」


影浦隊の作戦室にて絵馬の言った一言に隊員三人は目を丸くした。


「うん、狙撃手の訓練施設にいたよ。」


ガシガシと頭を搔いた影浦は「何でまた」と呟いた。鳩原の妹が何の為にここへ来たのか疑問だった。鳩原の妹は一体何を考えているのだろうか。あの女の妹のことだ。漠然と、姉と同じ事をするのではないかとも影浦は考えた。


「カゲ?どこ行くの?」
「鳩原の妹に会ってくる。」


のそのそとソファから立ち上がり扉へ向かった影浦の背中を見送ってから、三人顔を見合せその背中を着いていく。
鳩原の妹は思いの外すぐに見つかった。ロビーの自販機で水を買う少女がそうだ。姉によく似た無造作な髪にヘッドフォンを付けている。スーツを着ていないからどこか違和感があった。顔のパーツは似ているが生気が無いように見える。全体的に無気力な雰囲気で、姉とは雰囲気は反対だった。貼り付けた笑みを取り外した鳩原未来は、もしかしたらあんな風になるのかもしれないとも思った。
影浦達が鳩原の妹に近付き、声をかけようとするよりも先に前方からやって来た二宮隊の方が声をかけるのは早かった。前後からやって来た正隊員らに少女は小首を傾げる。


「お前が鳩原の妹か。」


二宮の声に「そうだけど」と返す。自然と二宮を睨み上げる絵馬の目が鋭くなった。


「ポジションは…」
「狙撃手。」


Aの短い答えに二宮はピクリと眉を動かす。皆の視線が二宮に集中した。あまり余計な事は言うなよという視線を影浦は二宮に向けた。


「お前は人を撃てるのか?」


それに空気が止まる。氷を張った様な緊張が走る。吸った息が吐き出せない。「人は、」と言いかけたAの前に絵馬がずい、と入り込んだ。自身の背に隠すようにして立ちはだかった絵馬を見下ろす。もし、人を撃てないと言ったら二宮は何を返すつもりだったのか、それを考えたら絵馬の体は勝手に動いていた。


「人は撃てるよ。」


同時に発砲音がして、二宮の脳天を貫いた。答えたのも撃ったのもAだ。驚いてる間に二宮の後ろにいた犬飼と辻も撃たれる。そこに躊躇いは微塵もなかった。

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はな(プロフ) - レモン味のかき氷さん» コメントありがとうございます!嬉しいお言葉…✨鳩原先輩関係の人主人公にした面白いんじゃね?っていうノリで作っちゃいました笑 原作でも謎多き、って感じなのでめちゃくちゃ捏造しまくると思いますが、これからも面白いと思っていただけるよう頑張ります! (2022年6月5日 18時) (レス) id: 906e49b810 (このIDを非表示/違反報告)
レモン味のかき氷(プロフ) - コメント失礼します!最初に、この作品の発想から凄いです!!同じ作者として、予想できない展開等あったので、時には楽しんだり、時には衝撃を受けました!リアルの方でお忙しいと思いますが…更新頑張ってください💪🔥 (2022年6月5日 16時) (レス) @page4 id: e6207c7e03 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はな | 作成日時:2022年6月4日 18時

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