19 ページ20
・
作戦室の前で待ち構えていたAに諏訪は思わず溜息を吐いた。中からは死角になっており、Aが見えないらしく溜息を吐いた諏訪を不思議に思う声が聞こえた。その声に「何でもねぇ」と答えて扉を閉める。
現在時刻は日付を越した頃。諏訪らは麻雀をいつもの面子で楽しんでいた。勝負に負けた諏訪が罰ゲームとしてコンビニまでパシられる事に怒りながらも「仕方ねぇ」と重い腰を上げる。そうして扉を開ければ諏訪が出て来るのを知っていたかの様にAが立っていたのだ。
「お前も懲りねぇな。」
その訳を大方察している諏訪は呆れた声を漏らして歩き始める。その横にAが並んだ。
Aはこの時間に諏訪が作戦室から出て来るのを知っていた。未来の視える男に聞いたのだ。
「将来ろくな大人になんねぇぞ?」
「不良大学生が何を言う。」
「ったく…こんなんじゃ鳩原に合わす顔がねぇっての。」
「グレたのは未来のせいにするから大丈夫。」
一体何を持って大丈夫なんだと溜息をまたひとつ。
「本部の中では飲むなよ?」
「危険区域内で飲むから大丈夫だよ。」
危険区域内もアウトだろと思うが、その声は喉元まできて飲み込んだ。18やそこらの未成年が酒を飲むのはよくある話だ。しかし13歳の中学生がもう飲酒とは先が思いやられる。来年にはタバコでも吸い始めるのではないかと思い始めた。しかし本人はタバコを吸う気はさらさら無いらしい。
コンビニに向かう道中に諏訪は麻雀仲間に連絡を送った。こんな真夜中に子供が一人だなんて危険がすぎる。何よりそんな寂しい事はないだろう。仕方ないから一緒に飲んでやろうと思った諏訪は作戦室に戻るのが遅れると連絡を入れた。
「何だかんだ言って見逃してくれるし優しいよね。」
そんな諏訪の考えなど全てお見通しで、Aの一言に何とも言えない気持ちになった。何故なら一人の大人としては失格なのだから。
コンビニを目の前にして「ほろ酔いにしとけよー」という諏訪の言葉は「ほろ酔いは炭酸ジュース」とAにぶった切られた。
134人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はな(プロフ) - レモン味のかき氷さん» コメントありがとうございます!嬉しいお言葉…✨鳩原先輩関係の人主人公にした面白いんじゃね?っていうノリで作っちゃいました笑 原作でも謎多き、って感じなのでめちゃくちゃ捏造しまくると思いますが、これからも面白いと思っていただけるよう頑張ります! (2022年6月5日 18時) (レス) id: 906e49b810 (このIDを非表示/違反報告)
レモン味のかき氷(プロフ) - コメント失礼します!最初に、この作品の発想から凄いです!!同じ作者として、予想できない展開等あったので、時には楽しんだり、時には衝撃を受けました!リアルの方でお忙しいと思いますが…更新頑張ってください💪🔥 (2022年6月5日 16時) (レス) @page4 id: e6207c7e03 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:はな | 作成日時:2022年6月4日 18時