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ずっと叫んでいたのを知っている。部屋で、声を殺して泣いて蹲る未来の姿を知っている。そこから聞こえて来るのはいつだって自分を責める言葉だった。どうして自分は人が撃てないのだと繰り返していた。藻掻いて、苦しくて、悲痛な叫びを上げている。それを、扉の隙間から覗いていた。自分の耳に入ってくる情報は未来が人が撃てないという事だった。チームメイトの足を引っ張ってるという事だった。それをいつも知らぬ振りをして、未来に気付かれないようにそっと扉を閉めるのだ。
自分が踏み込んだところで解決には導けないと。下手な慰めは返って逆効果だと言い訳をした。
だけど本当は心のどこかで未来を嫌ってたのかもしれない。荒れ狂った中身を愛想笑いで隠す未来を嫌っていたのかもしれない。荒れ模様を知ってるからこそ尚更。それならいっそ物に八つ当たりして、「何で撃てないんだよ!!」って叫び散らかしてくれてた方がこちらとしては内と外のギャップがなくて良い。
「…未来さ、無理してるでしょ。」
一度だけ、ギャップのあり過ぎる未来に疲れてそう尋ねた事がある。キョトンと目を開いた未来と目が合う。両親は心底不思議そうに娘二人の顔を交互に見ていた。
「何言ってるのA。そんな事ないよ大丈夫。最近立て込んでて疲れちゃったのかなー?」
そうやってまた作り笑いを重ねる。思わず顔を顰めれば「大丈夫だから何も聞かないで」と未来は声に出さずに伝えてきた。「ならいいや」と短く返してリビングを出た。
リビングを出た所で振り返れば、未来は相変わらずの笑顔を貼り付けて親と話していた。他愛のない会話。きっと数時間後には忘れてる様な中身のない会話だ。親は知らないのだ。未来の中がどれだけ荒れてるのか。だから「ボーダーの仕事も大変でしょうけど、ちゃんと休みなさいよ」なんて未来には効果のない言葉を軽々しく吐き出す。それが出来たら未来だって苦労してない。自分の首を絞めてるのは他でもない自分だと未来は気付いてるのだろうか。
「未来の言う"強くて優秀なチームメイト"が気付いてたらいい。」
そんな無責任極まりない願望を口にした。
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はな(プロフ) - レモン味のかき氷さん» コメントありがとうございます!嬉しいお言葉…✨鳩原先輩関係の人主人公にした面白いんじゃね?っていうノリで作っちゃいました笑 原作でも謎多き、って感じなのでめちゃくちゃ捏造しまくると思いますが、これからも面白いと思っていただけるよう頑張ります! (2022年6月5日 18時) (レス) id: 906e49b810 (このIDを非表示/違反報告)
レモン味のかき氷(プロフ) - コメント失礼します!最初に、この作品の発想から凄いです!!同じ作者として、予想できない展開等あったので、時には楽しんだり、時には衝撃を受けました!リアルの方でお忙しいと思いますが…更新頑張ってください💪🔥 (2022年6月5日 16時) (レス) @page4 id: e6207c7e03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はな | 作成日時:2022年6月4日 18時