ちび溜りボンドはいかが？《水溜りボンド》

dwarf*21 ページ21

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「…なぁ、A。こいつら知ってる？」





ん。とジローが見せてきたのは携帯の画面。

その画面には、毎日見てた彼らの姿。





『…え…』



「こいつら水溜りボンドっていうんだけど、

YouTuberで毎日動画投稿してんの。」





知ってる、知ってるよ。

小さい体で大きいパソコンに向かって編集作業してるの毎日見てたもん。





「で、なんか最近ツイッターで意味深な事呟いてたんだよね」





彼らの事を説明した後、その画面を見せてくれたのだけれど





「っえ！？ちょ、なんで泣いてんだよ！」





すぐにぼやけて見えなくなった。





“この間からずっとお世話になっていた人と突然離ればなれになってしまいました。
僕らの事を嫌な顔一つせず受け入れてくれた人で、毎日毎日僕らに元気をくれて、まさに癒しの存在の人です。

…はい、説明終わり。ここからは君に向けた言葉ね。

君の存在は、予想以上に俺らの中で大きくなってたみたい。
初めて俺らに作ってくれたオムライスの味が今でも忘れられないよ、まったく。

君との思い出を引きずってるせいで、視聴者さんからも元気無いって言われるんだから！

…また、作ってくれるんでしょ？また、俺らに会ってくれるんでしょ？
あの日みたいに俺らから会いに行けないから…今度は、君から会いに来てよ。

これを見てくれるとは限らないし、落ち込んでてそれどころじゃない…っていうのは俺の願望だけど、笑
とにかくこれが君に届くまで俺らずっと待ってるから。
もしまた会えたら…一緒にアイスでも食べよっか。 佐藤寛太”



“カンタか俺の、どっちかだけでも届くといいな、って思ったから俺も書く。

…まぁ、言いたい事カンタがほとんど言っちゃったからあんまり書くことねぇけど。笑

まず、突然押しかけた俺らの事を受け入れてくれてありがとう。あの時はマジで不安で、絶対気持ち悪がられんな、って思ってたのに、いつの間にか笑って受け入れてくれてて、本当に安心した。

短い期間だったけど、気づいたらお前と一緒に居るのが当たり前になってた。

俺お前が居ないとダメっぽい。笑
もう一回会いてぇ。 富永知義”



どちらの文にも添付されていたのは

寛太くんに撮って、と頼まれたあのオムライスの画像。



ジローの手からスッ、と携帯を取って、

全て読み終わった頃には涙でボロボロになっていた。





…届いたよ、二人の言葉。

会いに行くに決まってるじゃない。



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