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『(私はこれから……どうすればいいんだ?)』
結局メガネを見つけることができず,Aは裸眼のまま校舎の廊下の隅に突っ立っていた
校庭から校舎はそこまでややこしい道のりではないからなんとか壁を触りながらどうにかなったけど
ていうかどうしよ,今も過ぎ去る人たちの顔がわからん。なんで今日に限って予備の眼鏡を家に忘れて来ちゃったんだろ
次も授業あるじゃん,どうやってノートを取れと?
『(まぁ授業は受けるだけ受けて先生の言っている言葉をノートに書けばいっか…もうすぐ定期考査があるのに……ほんと最悪)』
取り敢えず考えるよりも先に教室に入ろ
ガンッッッッ!!!
『ッ〜〜〜〜〜〜〜〜………』
嵐「えっ!?ちょっと貴方,大丈夫!?」
視力が悪いせいで,たまにドアにぶつかることもあるんだよなぁ……
そう思いながらAは視線が集まる中,ぶつかっておでこを抑えながらゆっくりと崩れていった
________________________
佐「___と,いうわけだ」
いつもの先生じゃなくて今日は臨時で佐賀美かよ
まぁ誰がやっても全然いいけど
ていうかガチで何も見えない,前髪を避けて目を細めればギリイケる…か?
佐「______おい雲類鷲,さっきからこっちにガン飛ばしてるっぽいけど俺,何か悪い事したぁ?」
『はい?ガン……飛ばす?してませんけど……』
佐「っておい,お前メガネはどうした?」
『あー……無くしました』
佐「うわぁ……運悪いなお前」
やめろ,顔は見えないけどおそらく哀れ見るような目で見てる,そういうのは自分が1番わかってるから再度言うな
佐「取り敢えず……今日は頑張れよ」
『………はい』
何だろう,地味に心が痛い
「なぁ、彼奴いつも前髪で目ぇ隠れ気味だし猫背気味だったからわからなかったけど……すげぇ美形じゃね?」ボソッ
「それ思った,隣のクラスのあんずちゃんや莉瑠花ちゃんとはまた違う美人だよな」ボソッ
『(美形……?目が隠れていて猫背気味の生徒なんていたか?ちょっとざわついてるほどの美形がいるならぜひ見てみたいものだわ)』
褒められることがなさすぎて自分の顔面の美しさに気づいていないA
『(とりま,早く授業が終わって学校が終わってくれないかなー……あ,昼ご飯どうしよ)』
チラリと窓の外を見て,Aは小さく息を吐いた
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氷菜(プロフ) - もう。ほんとに…好きです。 (2022年6月28日 22時) (レス) @page45 id: 8b044b97dc (このIDを非表示/違反報告)
来夢(プロフ) - とっても読みたかった感じの作品で一気に読んでしまいました。無理のないように、更新頑張ってください。更新楽しみに待ってます。 (2022年6月7日 17時) (レス) @page3 id: ddf2d23ccd (このIDを非表示/違反報告)
珀琥(プロフ) - 一気に読める素敵な作品でした!こういうタイプの夢主ちゃんの小説読むのすごい好きです。更新大変かとは思いますが、頑張ってください!応援してます! (2022年5月23日 23時) (レス) @page34 id: 8db741d522 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨曇り侑 | 作成日時:2022年4月18日 21時