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『(もう赤ん坊じゃあるまいしなんでも口に入れる癖を今すぐ直さなきゃな)』




休み時間,頬杖をつきながらみかから貰った飴をものすごい音を立てて齧るA




み「ほへー……その飴,すっごく硬くてうまく噛めんいう噂をよう聞くけど,やっぱりそんなことないん?」





『え?いや,私は噛む力が人よりも倍強くて……』




み「そうなんや!あ,たしかにAちゃんの歯ぁ少し尖ってる気がする!」





それって生まれつきなん?と首をかしげながら聞くみか




『え”……ま,まぁ……ははは……』




もしかして……噛み癖がついたせいで噛みすぎて歯が尖り気味になってる……?





こりゃヤベェぞ,このままだと歯がウツボのように尖るかもしれねぇ





それだけは絶対に避けたい





軽く息を吐いてからAはかくん,と頭を重力に従うかのように空を仰ぐ





『次の時間ってなんだっけ……』





「次は音楽の時間でございます」





『!?』





まさか答えてくれる人がいると思わなくてびっくりしていると相手は笑顔のまま続ける





「よろしければご一緒に音楽室まで行きません?嗚呼,影片様もご一緒に如何ですか?」





み「あ,行きたい!……んやけどさっき先生に呼び出されてしもうて……二人で行っとって!」





「畏まりました」





『(何か勝手に話が進んでる)』





「おや,青白い顔色をしてらっしゃいますけど体調は……」





『あ……いつものことなので気にしないでください……伏見さん』





弓「そうでしたか,ではいきましょう」





ニコリ,と笑うその顔は偽物だと私は知っている





今まで人の顔色を見て生きてきたんだから分かる





ちょっとこれは関わらないほうがいいな,なんか危ない気がする





『い,いえ貴方は他のご友人と一緒に…』





弓「まぁいいではありませんか,元音楽科の“保健室の貴婦人”である貴方様には興味があったのですよ」





『え,その呼び名って……』





私が音楽科にいた頃の,





そう言おうとした時,ただならない殺気が漂う





弓「それに,お礼がしたいのですよ」





『お,お礼?』





弓「えぇ」





ダンッッ!!





『…………』





Aの顔を真横の壁がパラパラ,と軽く崩れその上には大きな手がつく






弓「私の仕えている姫宮家のお坊ちゃまが大変お世話になったようで……」






『(姫宮?…………あ)』





心辺りしかないAちゃん

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氷菜(プロフ) - もう。ほんとに…好きです。 (2022年6月28日 22時) (レス) @page45 id: 8b044b97dc (このIDを非表示/違反報告)
来夢(プロフ) - とっても読みたかった感じの作品で一気に読んでしまいました。無理のないように、更新頑張ってください。更新楽しみに待ってます。 (2022年6月7日 17時) (レス) @page3 id: ddf2d23ccd (このIDを非表示/違反報告)
珀琥(プロフ) - 一気に読める素敵な作品でした!こういうタイプの夢主ちゃんの小説読むのすごい好きです。更新大変かとは思いますが、頑張ってください!応援してます! (2022年5月23日 23時) (レス) @page34 id: 8db741d522 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨曇り侑 | 作成日時:2022年4月18日 21時

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