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『ゲホッゲホ……』
あんまり無理すんなよ,という言葉を佐賀美と椚にかけられて少し戸惑いながらも教室を出るA
教師2人に呼ばれることがなかったため,少しばかりの緊張がほぐれたせいか肺もどこかずきりと痛む
『っ……やばいな』ボソッ
コレ,多分吐血する。だけどここは廊下のど真ん中だぞ?ここで床を真っ赤に染めんのか?
無理無理無理,プライドにかけても絶対にできない
『っ〜〜〜〜!!ゲホッゲホゲホ!ガヒュッ!』
咄嗟に白いハンカチを口に当てて最低限の声の大きさで咳をする
3秒も考える時間がなかったAにしては,非常に良い判断だ
『うっわぁ……』
予想通り,ハンカチは赤に染まっていて口の端からもわずかに血が付着する
見慣れているとは言えやはりいい思いにはなれない
『………気持ち悪い』
そう言うとAは今日の真横にあったゴミ箱に赤くなったハンカチを捨てる
『(おろしたばかりのハンカチだったのに……最悪)』
心の中でぶつくさと文句を言いながらAは教室に戻った
佐「くふぁ……ってん?なんだこのハンカチ?」
暫くするとちょうどゴミ箱の横を通った佐賀美がゴミ箱の中を見る
佐「赤い……血か?コレは?状態からすると随分と最近のものだな……ってん?」
『(うっ……貧血のせいか眩暈が……)』
佐賀美の目に入るはよろけながら壁に手をつくAの姿
佐「まさか,な……」
____________________
「_____により,此処の化学反応式は……」
『(うわぁ……記憶めんど)』
そう思いながら顔を顰め,黒板を見るA
『(ま,しゃーない。無理矢理頭に詰m)』
パキン!
すると軽く短い音がAの耳に入る
『(もしかして…………)』
ゆっくりと下を見るとシャーペンの上部分が見事に凹んでいた
『(又無意識に噛んじゃった……?)』
コレで今月3本目だぞ?また癖が出てきてしまった
今思えば昔から手当たり次第何かを噛んでた気がする
給食の牛乳パックのストロー,食事に使うスプーンや箸,そして自分の指や爪
なんていうか,落ち着く。そのせいで噛む力が人の倍はあるようになったけど
『(まぁ,そんなにひどくないからすぐに直さなくても……あ)』
気がつけばAは自分の指を口に入れる直前だった
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氷菜(プロフ) - もう。ほんとに…好きです。 (2022年6月28日 22時) (レス) @page45 id: 8b044b97dc (このIDを非表示/違反報告)
来夢(プロフ) - とっても読みたかった感じの作品で一気に読んでしまいました。無理のないように、更新頑張ってください。更新楽しみに待ってます。 (2022年6月7日 17時) (レス) @page3 id: ddf2d23ccd (このIDを非表示/違反報告)
珀琥(プロフ) - 一気に読める素敵な作品でした!こういうタイプの夢主ちゃんの小説読むのすごい好きです。更新大変かとは思いますが、頑張ってください!応援してます! (2022年5月23日 23時) (レス) @page34 id: 8db741d522 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨曇り侑 | 作成日時:2022年4月18日 21時