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『スゥ………あー…姫宮さん,どうやらプロデュース科全員のレベルが一緒だと思われているようですがそれは全く以て間違いですよ,そりゃ私,小鳥遊さんよりも遅くここに入ってきたんですから彼女より下手なのは当たり前じゃないですか〜』
乾いた笑いを上げながらAは言葉を続ける
桃「で,でも普通のプロデューサーならこれぐらいはできるでしょ!それともあれ?お前が無能なだけ!?」
こ,この餓鬼……好き放題言いやがって……
笑顔のまま歯ぎしりをするAの口の中で,パキンと何かが砕けた音がする
桃李の隣では「ちょっと,桃李くん…」と宥める赤毛の生徒が一人
数秒後,いつもの笑顔に少し低い声でAはこういった
『ごちゃごちゃうるせぇぞ?この餓鬼が』
桃「なっ……」
すると笑顔のまま物騒なことを言う彼女に驚きを隠せないのかその場にいた人達が騒ぎ出す
『(あやっべ,好印象を残す形にしたかったけど……この際もうどうでもいいわ)』
遂に諦めたAはどんどん言葉を吐き出す
『無能なのは認める。
でもなぁ文句があるなら教師に言え,私も好きでやってるわけじゃないんですよ
大切なことなのでもう一回言いますね,好きでやってるわけじゃないんですよ
もうこれ以上文句があるなら帰りやがれ糞餓鬼が,こちとら生意気な餓鬼は嫌いなんだよこれ以上ピーチクパーチク喚くならプロデューサーの権限を使って内申点引き下げんぞこの木偶の坊が___
おっと失礼,少々言葉が汚くなりました』
コホン,と咳払いをしながらチラリと見れば桃李は何か言いたげな表情だったがすっかりとおとなしくなっていた
『___はい,とりあえず始めましょう時間の無駄です私は諸都合により一旦退散しますけどお気にせずに』
早口でそう言い,Aは目にも見えない速さでトイレに向かった
______________________
『ゲホッゲホゲホ……ガハッ……』
洗面台に全体重をかけながら苦しそうに肩で息をする
『ん……歯の一部が砕けちゃったか,』
ぺっ,と口から何かを吐き出すとほんのりと赤く染まった歯のほんのひとかけらが転がる
『うわっ……気持ち悪』
ハンカチで口元を拭いながら自分の噛む力の強さとその他諸々に引き気味になりながらAは大きなため息をつく
『(……え?今回のプロデュース大丈夫そ?)』
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氷菜(プロフ) - もう。ほんとに…好きです。 (2022年6月28日 22時) (レス) @page45 id: 8b044b97dc (このIDを非表示/違反報告)
来夢(プロフ) - とっても読みたかった感じの作品で一気に読んでしまいました。無理のないように、更新頑張ってください。更新楽しみに待ってます。 (2022年6月7日 17時) (レス) @page3 id: ddf2d23ccd (このIDを非表示/違反報告)
珀琥(プロフ) - 一気に読める素敵な作品でした!こういうタイプの夢主ちゃんの小説読むのすごい好きです。更新大変かとは思いますが、頑張ってください!応援してます! (2022年5月23日 23時) (レス) @page34 id: 8db741d522 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨曇り侑 | 作成日時:2022年4月18日 21時