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陣「___というわけでお前の転科届けは取り消しってことでいいか?」
『え?あぁ……………はい……』
それからというもの,AはIQ 2くらいに成り下がっていた
『(やってしまった………)』
いつの間にか音楽科への転科の取り消しを肯定してしまった自分に大きな後悔が迫る
『(うぅ……今日マジで危ない……一言一句喋る度に危ない……)』
よろよろと誰もいない廊下の壁に手をつく
『……明後日……一年生……合同練習…プロデュース…………』
明後日の事について考えるも
『(うぇぇえええええええ!!!)』
一気に吐き出しそうになる
『(えまって?糞餓鬼共のプロデュースするの?私?え,荷ぃ重すぎない?ちょっと待ってストレスで血ぃ吐きそう)』
IQ 2の脳みそを回しながらAは口元に手を抑える
『無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理…………!』
そんなの,50階建てのビルから飛び降りて見事に着地しろって言うのと同じだぞ?あのクソアマ私を殺す気か?え?
そうそう年下ってどうやって使えばいいんだ?もうやだ無理死にそう肺が痛い胃が痛い頭が痛いし心も痛い
なんかすごい物理的な痛みと精神的な痛みが走るんだけど
なんかもういいわ。今日1日中サボる
この状態で授業受けたらたまったもんじゃねーよ
あ待って今すっごい肺が痛いよしとりあえずトイレに行こう
そしてAは早歩きで女子トイレに入った
_____________________
『フー………フー………』
トイレに座りながら口元に両手を押さえて荒い呼吸をするA
その額には僅かに汗があり,目もぐるぐると渦巻いていた
『気持ち悪ぃ……本当死にそう,今死にそう』
ゆっくりと上を向きながらAは呟く
『ってん……?なんだここポスター?……』
するとなぜか天井にポスターが貼ってあったのだ
そのポスターは“なんでもなれる!なんでもできる!”と希望に満ち溢れていたものだった
じっと瞳孔が数秒間それをとらえると
『可燃ゴミにすらなれない』ボソッ
低く地面を這いつくばるような声でそう言い,細いため息を吐く
『(嗚呼……このまま体の内部から焼けて灰になりてぇ……)』
ごふっ……と上を向きながら口から深紅の液体を流し,Aは無表情でただただ天井を眺めていた
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氷菜(プロフ) - もう。ほんとに…好きです。 (2022年6月28日 22時) (レス) @page45 id: 8b044b97dc (このIDを非表示/違反報告)
来夢(プロフ) - とっても読みたかった感じの作品で一気に読んでしまいました。無理のないように、更新頑張ってください。更新楽しみに待ってます。 (2022年6月7日 17時) (レス) @page3 id: ddf2d23ccd (このIDを非表示/違反報告)
珀琥(プロフ) - 一気に読める素敵な作品でした!こういうタイプの夢主ちゃんの小説読むのすごい好きです。更新大変かとは思いますが、頑張ってください!応援してます! (2022年5月23日 23時) (レス) @page34 id: 8db741d522 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨曇り侑 | 作成日時:2022年4月18日 21時